川崎重工、40年前から架空取引 特別監察、6年で17億円
海上自衛隊の潜水艦修理契約に絡み、川崎重工業が架空取引で裏金を捻出し、乗員に物品を提供したとされる問題で、防衛省は27日、特別防衛監察の中間報告を公表した。取引先企業との架空取引は遅くとも約40年前に始まり、額は2023年度までの6年間だけで計約17億円に上るとした。特定秘密の不適切な取り扱いや潜水手当の不正受給も新たに確認された。 防衛省は川重を厳重注意し、過剰分を返納させる方針。乗員への自衛隊員倫理法違反容疑での調査は継続する。規範意識の欠如が露呈した海自と防衛産業大手への批判が高まるのは必至だ。中谷元・防衛相は「国民の信頼を大きく損なうもので深くおわびする」とのコメントを出した。 川重は27日、東京都内で記者会見し、特別調査委員会の調査結果を説明。月額報酬の30%を5カ月間返上する橋本康彦社長は「国民の皆さまや関係者にご心配やご迷惑をかけた」と謝罪した。 中間報告によると、川重の工事担当者らは取引先企業と結託し、養生材などを大量発注したように装って資金を捻出していた。