バスケ&バレー代表は「史上最強」、サッカーは「U-23」メンバー パリ五輪のナゼ?
連日の盛り上がりを見せるパリ五輪もいよいよ終盤。アスリートにとっては「最高の舞台」とされる五輪ですが、競技によっては「オールスターメンバー」が揃うこともあれば、若手中心で揃えたメンバーでのぞむチームもあるようです。その違いの理由について取材しました。
■サッカーだけが若手メンバー主体、その理由は?
「史上最強」ともいわれた、日本男子バスケ代表。惜しくも勝利を掴み取ることはできませんでしたが、日本バスケットボール協会の担当者も「ベストメンバーを招集した」と胸を張るように、現役NBAプレーヤーの八村塁選手の加入、来季からBリーグでプレイする渡邊雄太選手、NBAにチャレンジする河村勇輝選手など、まさに「史上最強」の名に恥じないラインナップは、ファンの心を鷲掴みにしました。 一方、サッカー日本代表はどうでしょうか? パリ五輪のメンバーを改めて見返してみると、海外で活躍する日本人選手の姿もありますが、全員が23歳以下の、若手のメンバーで構成されています。アスリートにとっての「最高の舞台」に、なぜ若手で望むのか。 サッカー情報専門サイト「フットボールチャンネル」の加藤健一編集長は、FIFA(国際サッカー連盟)と、IOC(国際オリンピック委員会)、そしてグローバル化が進むサッカー界の事情が大きく影響していると話します。 「FIFAが定めた一定の期間内のみ、FIFAに加入している各国代表チーム、クラブチームは国際試合を行えるというルールが存在しますが、五輪はその範疇外、というのが大きな理由です。この期間内に、各国のサッカー連盟がクラブに選手の招集を行うのですが、期間内であれば招集に応じる"義務"が生じます。同じく、FIFAが主催するサッカーワールドカップにも義務が発生するので、いわゆる"A代表"が集まります。しかし、五輪はFIFAの管轄外で、招集に応じる義務がないのです」 サッカー男子日本代表を含めた各国のメンバーが、23歳以下の選手で構成されたのも、こうした理由が反映された結果だといいます。しかし、パリ五輪では、現在23歳で欧州リーグで活躍する久保建英選手らの招集は見送られました。 「五輪では、クラブ側が代表チームに選手を派遣する義務はないものの、クラブや国によっての判断はそれぞれ違います。欧州リーグの中には、五輪開催期間にすでにリーグ戦が始まっている場合もあり、そうしたクラブチームに所属する選手は、若手であっても招集が難しくなります。また、選手に移籍の可能性があると、やはり招集を見送られることがあります」