バスケ&バレー代表は「史上最強」、サッカーは「U-23」メンバー パリ五輪のナゼ?
■五輪よりW杯が格上?とは言い切れない複雑なサッカー事情
こうしてみると、サッカーにおける「最高の舞台」は、五輪ではなくワールドカップ、という印象を抱いてしまいますが、加藤編集長は次のように説明します。 「例えば、南米の強豪・アルゼンチンなどは、五輪にもA代表に近い若手メンバーを集めますし、今回開催国であるフランスもベストメンバーに近いラインナップ。逆にドイツなどは、いつもの五輪メンバーより若手が揃えられました。だから、どちらの大会が格上とかではなく、その時の選手、クラブ事情によって、メンバーは大きく異なります」 五輪とワールドカップでうまく棲み分けができていることで、メリットもあるようです。 「今の日本A代表チームは、ほとんどが海外クラブに在籍するメンバーですが、五輪のメンバーはほとんどがJリーグクラブに所属しています。普段は対戦することが難しい、海外の若手トップ選手と戦えることは日本の若手選手にとっても貴重な機会。また、普段身近なJリーグで活躍している選手が国際試合で戦う姿も、ファンにとっては大きな楽しみになります」 サッカーだけでなく、バレーボールには「世界選手権」が、陸上には「世界陸上」があるように、それぞれの競技が、五輪との棲み分けをうまく計りながら、レベルアップを目指している、というのが実情のようです。