「ぼっち・ざ・ろっく!」青山吉能インタビュー!“でぇ号泣”した最初のアフレコから劇場総集編までを語る
◆結束バンドのライブシーンについても、テレビシリーズの時の思い出をお聞かせください。まずは、劇場総集編前編のクライマックスにもなった、「STARRY」での初ライブシーン。 アニメのアフレコの歌録りって、大抵は別日に、別スタジオでしっかり行うんです。でも、あそこは緊張のあまり結束バンド全員がグダグダになってしまうシーンだったので、「ギターと孤独と蒼い惑星(ほし)」は今この場で歌録りしちゃおうと急に決まったんです。当然、(喜多役の)長谷川(育美)さんは歌う準備をしてきていないから「え、歌うんですか!?」みたいな。歌わない私たちにまで緊張感が走る中、譜面台が持って来られて、歌詞が置かれて。セリフとも分けずに流れのまま歌録りを始めるという、前代未聞のやり方だったんです。でも、そういうやり方だったからこそ生まれた緊張感や臨場感が歌に乗っていて、めっちゃいいんですよね。長谷川さんはそれどころじゃなかったと思いますけど(笑)、見ているこっちは“激感動”していました。結束バンドのアルバム収録バージョンとは違うので、ぜひ聴き比べてみてほしいです。 で、そのグダグダの空気を変えたくて、後藤ひとりは「あのバンド」のイントロをアドリブで弾き始める。あそこは後藤ひとりが頑張ったシーンで、私が声優として何かできたことはあまりないんですけど。人前が苦手で緊張しいの後藤ひとりがああやって先陣を切って、それに呼応するように虹夏ちゃんとリョウさんが目配せして続いて、喜多ちゃんが歌う、というのはエモすぎましたね。 ◆後編の見せ場にもなっている、文化祭でのライブシーンはいかがでしょうか? あのシーンは当時、キャスト全員で集まって見たんです。アフレコをしてからしばらくたっていましたし、画や音がちゃんとついた状態で見るのは初めてだったのもあって、こんな臨場感ある始まり方をするんだ! ってすぐ引き込まれて。実際にライブに来たような、いち観客になったような気分でした。あれが劇場で流れたら暗闇の中で画面だけが光って、まさにライブのような環境になるでしょうから、より観客に近い気分を楽しんでいただきたいです。 ◆最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします! そもそも原作の「ぼっち・ざ・ろっく!」は4コマ漫画なので、起承転結がたくさんあるんです。それを脚本の吉田恵里香さんが、テレビシリーズでは24分×12話にまとめてくださって。その手腕が光った“神脚本”を、劇場総集編ではさらにどうまとめてくださっているのかが注目ポイントだと私は思っています。4コマ漫画だからこその面白いワード、面白いシチュエーションがポンポン出てくる作品なので、そこだけをぎゅっとするとオチだらけ、ボケだらけになりかねない。どこを削ってどこを出すのか。その大ボケ・小ボケのさじ加減を劇場で味わっていただきたいです。 「ぼっち・ざ・ろっく!」がお好きな方は、物語の内容はもうある程度分かっていると思うんです。そういう方には、背景の描き込みや、手に持っている小物などの細かい小ネタにも注目していただきたいです。「STARRY」に貼ってあるポスターの人ってひょっとして……とか。スクリーンの大画面ならきっとよく見えるはずです。 一方で、「ぼっち・ざ・ろっく!」の内容まではあまりよく知らないけど、結束バンドの曲は何となく知っているという方もいらっしゃると思うんです。そういう方には、その曲がこの作品でどんな影響を及ぼしているのか、この機会に知っていただきたいです。そうすることで、曲の意味もより深く知ることができるはずです。もちろん曲単体でもめっちゃいい曲ばかりなのですが、例えば作詞は後藤ひとりで、作曲は山田リョウなんだ、とか。それを知るだけでも、「後藤ひとりってこんな歌詞書くの?」「リョウさんの作曲センス、ヤバっ!」ってなりますし。結束バンドって特にベースがバチイケの曲が多いので、リョウさんっぽさが出ているなとか。リョウさんが何でこういう楽器編成にしたのかとかも見えてきたりするので。曲が作品と密接に関わっているので、そこをぎゅんってつなぎ合わせてみていただきたいです。 <プロフィール> 青山吉能 ●あおやま・よしの…5月15日生まれ。熊本県出身。出演作は、『ポケットモンスター』(ぐるみん役)、『劇場版 オーバーロード 聖王国編』(ネイア・バラハ役)、『僕の妻は感情がない』(小杉あかり役)など。
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