北口榛花が最優秀選手に選出 今後の目標は「ただただやりを遠くに飛ばしたい」/陸上
日本陸連の年間表彰式「アスレティックス・アワード」が19日、東京都内で開かれ、今夏のパリ五輪の女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花(26)=JAL=が、2年連続の最優秀選手に選ばれた。「2年連続で頂けるのは、たくさんの方々ができたことではない。すごく光栄です」と笑顔で喜びを語った。 昨年に引き続き、1年で最も輝いたアスリートとして表彰された北口。式では、サプライズで女子バスケットボール日本代表の高田真希からビデオメッセージも贈られた。「私がずっと前からファンで、先日ようやく番組でご一緒させていただいてお話しできるようになって。お忙しい中撮っていただいて大変うれしいです」と満面の笑みだった。 五輪の金、ダイヤモンドリーグファイナルの2連覇など、輝きを放った1年を終えた北口。ただ、結果とは裏腹に、苦しんだ1年となった。檀上では、「できればこのような1年はもう二度とこなくていいと思うような1年だった。それでも、周りの方々のおかげで何とかオリンピックも出られて、なんとか最後まで、ダイヤモンドリーグも回ることができました。このような1年はもういらないという1年でしたので、もう一度繰り返さないために、反省し続けているオフシーズンです」と振り返った。 さらなる飛躍に向け、現在は水泳、体操、柔道など他競技からもヒントを得ている。陸上の他種目にも挑戦しており、ハードルの〝先生〟は同じJAL所属でパリ五輪5位入賞、アワードでも優秀選手賞に輝いた村竹ラシッド。「身近にいい選手がいたので」とおどけつつ、「一つ一つの練習の質が上がっている」と確かな手応えを口にした。 柔道の〝先生〟は、2008年北京、16年リオデジャネイロ五輪の女子52キロ級銅メダリストの中村美里さん。柔道は学校の授業などでも経験したことがないそうだが、「柔道の前回り受け身は斜めにやる。斜めになるのは、やり投げの過程でも重要な局面。ただ反っているのではなく、やりを投げるときは対角線上に芯が通っているイメージ。そこがリンクしている」と意図を明かす。現在は、陸上競技場のトラックにマットを敷いて前回り受け身を練習に取り入れているそうだ。 来年は、東京・国立競技場で世界選手権が開催される。世界女王として挑む大舞台は、連覇もかかる大事な試合でもある。北口は、「タイトルというタイトルは取ってきて、なかなか目指す部分がないのではと心配もされますが、全然そんな心配はいらなくて。ただただ、もっとやりを遠くに飛ばしたいという気持ちで、夢の70メートルに向かって頑張っていきます」と力強く語った。