なぜU-22日本代表で久保&堂安は機能しなかったのか?
35分に久保のパスを受けた堂安が右足でシュートを放つも、相手キーパーの正面へ飛んでしまった。直後には堂安の縦パスに、途中出場のFW小川航基(水戸ホーリーホック)があうんのタイミングで抜け出す。放たれたシュートはしかし、無情にも左ポストに嫌われてしまった。 「個人的にビッグチャンスはなかったけど、タケとの連携を含めて、ポジティブな部分も見えた」 後半38分までプレーした堂安は、完敗のなかに努めて前向きな材料を見つけようとした。しかし、堂安自身が戦術以外の理由としてあげた、チーム全体として後ろ向きになってしまったメンタルは、責任と覚悟を背負ってピッチに立つ選手たち自身が乗り越えなければいけない問題となる。 2017年10月に東京五輪に臨む男子代表チームの監督に就任。昨年7月からはフル代表の指揮官を兼任してきた森保監督は、ことあるごとに自国開催の五輪での金メダル獲得を公言してきた。そして、コロンビア戦後のロッカールームで、選手たちにこう問いかけている。 「我々がもっている目標が私だけのものなのか、それともチーム全体で共有しているものなのか」 金メダル獲得を目指す姿勢を表現しよう、とコロンビア戦を前に意気込んでいただけに、内容を伴わない惨敗を目の当たりにして思わず真意を確認したのだろう。 10月の南米遠征でサッカー王国ブラジルから逆転勝ちをもぎ取った若き代表チームを見ようと、国内における初陣となったコロンビア戦には約2万6000人のファンやサポーターがかけつけた。注がれる期待をプレッシャーとして受け止め、ミスをしたくない、という消極的なプレーの源泉になっていたとすれば――とてもじゃないが東京五輪のヒノキ舞台では戦えないだろう。 「東京五輪だから、とかは関係なく、出場するからには優勝するしかない。同年代の選手たちには負けられないし、そうやって自分たちにプレッシャーをかけていきたい」