【2024インターハイ】東山:瀬川の支配力とエース不在の間にステップしたチームメイトの貢献が決め手となって成し遂げた全国制覇
「オフェンスができなかったとしても、自分はそれだけで終わる選手じゃないです。自分ができることを最後まで探した結果、ディフェンスで少しは貢献できたのかなと思います。4Qの最後はスキルとかそういうのではなく、3年生の意地であったり、気持ちだと思っているので、そこでスティールできたのはよかったと思います」
美濃加茂との決勝、瀬川は1Qで2ファウルになるが、佐藤が2本の3Pショットを決めるなど、東山が先に主導権を握った。8点差で迎えた3Q、瀬川は2本のジャンプショットを決めると、ベースラインからカットした南川陸斗のレイアップをアシストし、リードを2ケタに乗せる原動力になる。得点だけでなく、ゲームメイクでも冴えを見せた瀬川は、3Q終了間際に小野寺星夢のブザービーターとなる3Pショットをクリエイトするなど試合を支配。リードを21点まで広げた東山は、美濃加茂の追撃を振り切って悲願の全国制覇を成し遂げた。
「本当に途中で出てくる選手だったり、スタートで出ている凪であったり、本当に全員が自分の役割を明確に、それを最後までやれたことが勝因だと思います」
瀬川がこう振り返ったように、美濃加茂戦の東山は瀬川の21点を筆頭に佐藤が16点、小野寺がベンチから出てきて15点、効果的なカットからレイアップを決めた南川が10点、1年生の中村颯斗が9点を記録。試合に出場した7人全員が最低1本のFGを決めていたことでも、チームとしてうまく戦えていたのは明らかだった。
6月の近畿大会終了後、瀬川はアメリカのアトランタで行われたNBAアカデミーゲームに参加するためにチームを離れた。インターハイに向けた準備期間で絶対的な大黒柱が約1か月不在になった東山は、福岡第一との練習試合でプレッシャー・ディフェンスに対応しきれずに大敗したという。しかし、この間に選手たちはお互いの存在がいかに重要かを知り、一生懸命練習に取り組んできた成果が初のインターハイ制覇につながったのは間違いない。