2024年に注目すべき「 メディア 」をめぐる5つのトレンド
クリエイティブとメディアの再統合?
最後に、米DIGIDAYが報じたように、効果指標としての「アテンション」の採用は、図らずもエージェンシーのクリエイティブ部門とメディア部門の再統合を促している。大手エージェンシーの戦略はさておき、不透明な経済情勢下でも効果的な広告施策を求められるマーケターにとって、両部門の連携はよいことずくめである。 ワールドワイドパートナーズ(Worldwide Partners)の「逆ホールディングス」モデル(エージェンシーホールディングスがエージェンシーを所有するのではなく、エージェンシーがネットワークを所有)から、クリエイティブショップのジョアン(Joan)と共同でピッチに臨むクロスメディア(Crossmedia)の事例まで、独立系エージェンシーのあいだでは、メディア部門とクリエイティブ部門の機能を分離する時代は終わりつつあるという認識が広まっている。 広告主のブランド目標とパフォーマンス目標の境界線が曖昧になっていることも、クリエイティブとメディアの分離を崩す要因として働いている。マーケティングメッセージを伝えるインフルエンサーやクリエイターのコンテンツが洗練化していることも同様だ。 最後に、財務レバレッジの高い大手エージェンシーにかかる財務圧力も、傘下のエージェンシーブランドの崩壊を加速させるかもしれない。すでに合併を経験したVMLY&Rとワンダーマントンプソン(Wunderman Thomson)をさらに統合するというWPPの決定ひとつを見ても、それは十分に明らかだ。 [原文:Media Buying Briefing: Here are five media agency trends to watch in 2024] Antoinette Siu and Michael Bürgi(翻訳:英じゅんこ、編集:島田涼平)
編集部