JAL、A350-1000ロンドン就航 初の欧州路線、最新6号機で
日本航空(JAL/JL、9201)の新たな国際線フラッグシップであるエアバスA350-1000型機が10月24日、羽田-ロンドン線に就航した。A350-1000の投入路線として3路線目で、1日2往復(週14往復)のうち、昼に羽田を出発するJL43/44便に投入する。JALのA350-1000が欧州へ就航するのは初めてで、欧州製の機体が里帰りする形になった。初便には20日に就航したばかりの最新6号機(登録記号JA06WJ)が使用された。 【写真】羽田を出発するJALのA350-1000ロンドン線初便 JALは2004年に就航したボーイング777-300ERの後継機として、A350-1000を同数の13機発注済み。今年度は8機を受領する計画で、現在は6号機まで受領済み。ロンドン線は24日から当面隔日で投入する。 ロンドン線の運航スケジュールは、ロンドン行きJL43便が羽田を午前9時50分に出発し、午後3時15分着。羽田行きJL44便は午後6時30分にロンドンを出発して、翌日午後5時20分に到着する。 24日のロンドン行き初便は、乗客200人(幼児1人含む)と乗員17人(パイロット3人、客室乗務員14人)を乗せ、羽田の112番スポットを午前9時55分に出発し、C滑走路(RWY34R)から午前10時19分に離陸した。出発前に搭乗口で開かれた就航記念式典で、JAL東京空港支店の余宮一郎副支店長は「(JALの運航機材では)欧州で作られた機体が初めて欧州へ向かう。シートも欧州製で、14時間のフライトを楽しんでいただきたい」とあいさつした。 駐機場では機体のそばにグランドスタッフが、就航にちなんだ「水アート」を描き、乗客がA350-1000に搭乗後、各席の個人用モニターから機体のカメラ映像を通じて楽しめるようにした。 また、羽田のラウンジではロンドンにちなんだメニューを24日限定で用意。ファーストクラスラウンジでは、フィッシュ&チップスやイングリッシュスコーン、BREWDOGビール、映画『007』にちなんだカクテル「マティーニ」を提供し、ティレルのポテトチップスをファーストとサクララウンジで提供した。 A350-1000の座席数は4クラス239席で、ファーストが6席(1列1-1-1席)、ビジネスが54席(同1-2-1席)、プレミアムエコノミーが24席(同2-4-2席)、エコノミーが155席(同3-3-3席)。ファーストクラスは座席上のオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)をすべてなくし、ビジネスは窓側のみとすることで開放感のある客室に仕上げた。 ビジネスクラスはベッドの長さを従来より約10センチ長い最大約198センチ(78インチ)、幅は最大約56センチ(22インチ)とし、足もとまで広いフルフラットベッドに仕上げた。プレエコはクラス初の電動リクライニングシートを採用し、後ろの席に背もたれが倒れない「フィックスド・バック構造」や4K対応の16インチモニター、フットレストなどが特徴となっている。 ロンドン就航により、JALのA350-1000の投入路線は北米2路線、欧州1路線となった。今年1月24日に運航を開始した1路線目の羽田-ニューヨーク(JFK)線は、8月14日から週14往復全便をA350-1000で運航するダブルデイリー化を実施。4月17日から投入を開始した2路線目のダラス・フォートワース線は、8月23日からA350-1000による運航をデイリー化している。 ロンドン線初便に投入した6号機は、現地時間9月30日に引き渡され、羽田には10月3日に到着。20日の羽田発ニューヨーク行きJL6便が就航初便となり、A350-1000初の欧州路線であるロンドン線初便にも投入された。
Tadayuki YOSHIKAWA