「白Tとコルテッツさえあればいい」ケンドリック・ラマーも溺愛するナイキの名機に新作登場!
シンプルを極めたアッパー、ウェッジインサートを配したフォームミッドソール、ヘリンボーンパターンのアウトソール。 ▶︎すべての写真を見る 一目でそれとわかるデザインやディテールを踏襲しつつ、現代の技術でアップデートした「コルテッツ」はそれだけで食指が動くが、思わず唸ったのがフットボールシューズを彷彿させるスペックーーつややかなグレイの合成皮革、サイドのステッチワーク、そしてシュータンフリップーーだった。 22年のFIFAワールドカップでにわかに脚光を浴び、すっかりあらたなスタイルとして定着したブロークコアを意識しているのは間違いない。 ナイキはその感触を確かめるように「エア マックス プラス」や「キルショット 2」で同種のコンセプトワークを披露してきた。 いわば、真打ち登場というわけである。 オーシャンズ世代にとってうれしいのは、そのフリップは取り外し可能ということ。古き良きアメリカンカジュアルの仕上げに履きたいなら、フリップを取っ払えばいいのだ。
ロープロファイルの嚆矢にして本命
ブロークコアはサッカーカルチャーにインスパイアされた、おもにユニフォームを着こなしに採り入れたスタイルをいう。ブロークは古くからあるイギリスのスラングで、熱狂的なサッカーファンを意味する。 ロープロファイル(薄底)を再評価する機運が芽生えているが、そのきっかけをつくったムーブメントである。現在ではフォットボールシューズにとどまらず、もろもろのコートシューズもこの恩恵を受けている。 ブロークコアにはルーツがある。1970年代後半に広まったテラススタイルがそれだ。マンチェスターやリバプールといった名門クラブを擁する街が震源地となった。 ブロークたちはアウェイの試合にも足を運び、いく先々でスニーカーを手に入れ、そのスニーカーを履いて凱旋した。彼らは決まってゴール裏の立ち見席、すなわちテラスに集ったから、そのファッションはテラススタイルと呼ばれるようになった。 彼らが好んで履いたのはガムソールシューズだった。のちにオアシスやザ・ストーン・ローゼズがバギーパンツにそのシューズを合わせたのは、テラススタイルへのオマージュである。