ファッション&ポップカルチャーに“かわいい”革命が到来 日本のアニメや漫画による影響も!?
日本の漫画やアニメ、原宿ファッションの影響も
日本、そして東アジア全般は“かわいい”文化の中心地とされている。東京・原宿のストリートファッションから「kawaii」のコンセプトまで、この場合の“かわいい”の解釈は漫画的(日本発のハローキティやセーラームーンなど)でこだわりが強めだ。Googleで「原宿ファッション」と検索すれば、パステルカラーやボンネット、特大フリルを重ね着した若い女性の画像が表示されるだろう。
ファッションで最後に“かわいい”が探求されたのは、’90年代にコートニー・ラブを含むグランジ・バンドのフロントウーマンたちが、「キンダーホア」と呼ばれるロリータテイストにパンクやグランジの要素をミックスしたスタイルを実践していた頃だった。彼女たちは引き裂かれたタイツや「ドクターマーチン」のブーツに、対照的なベビードールを合わせて着こなしていた。女の子向けにデザインされた服にフェミニストの怒りを加えるというこの意図は確かに私も大好きだが、一方で常にかわいいものをストレートに表現したい、とも思ってしまう。キャタロールは、私のこの感覚は今の“かわいい”の実践者たちの価値観に合致していると言う。「女性たちはかわいらしさの穏やかな側面を、積極的に取り入れています。アーティストのハンナ・ダイヤモンドのような女性たちは自分のフェミニニティに寄り添い、それを原動力として利用しているのです」
“かわいい”の美学が自信を与えてくれる
バンド「ジャパニーズ・ブレックファスト」のリードシンガーであり、ベストセラー回想録『Crying in H Mart』の著者であるミシェル・ザウナーも同じ意見だ。「サンディ リアン」や「セシリー バンセン」、「シモーネ ロシャ」の服を愛用する彼女は、幼い頃に韓国の家族を頻繁に訪ね、その度に「当時流行していた漫画のキャラクターものなら何でも」文房具や服をコレクションしていたという。「(最初にバンドで演奏を始めたときは)真剣に受け止めてもらいたくて、無意識的に男性的な服装をしていました。かわいらしさを何年もの間、否定してきたのです。だけどここ数年はある種の喜びを感じながら、かわいいものに回帰しています」