「海のはじまり」村瀬Pが語る、俳優・目黒蓮の成長「今までの彼にはなかった表情を」
目黒くんは“相手の能力を吸収していく”ようなイメージで、とにかくすごく成長しています
──本作で、あらためて感じた目黒さんの魅力についてお聞かせください。 「僕たちは現場で、Snow Manが出演している音楽番組を見ることがありますが、本当に夏くんと全然違う!(笑)。夏は決してカッコ悪くはないのですが、あくまでも普通の人。目黒くんが夏を演じている時のオーラの消し方もすごいですし、視聴者の皆さんに、頼りないと思わせる夏のキャラクター像を見事に演じてくれています。そもそも、今、日本で一番キラキラしていると言っても過言ではない目黒蓮が、この役柄を演じられることがすごいことですよね。そして、本作ではテクニックだけではなく、心で演じる名優の方々に集まっていただいています。その方たちと芝居をしていくうちに、目黒くん自身の芝居もどんどん良くなっているのを感じています。(泉谷)星奈ちゃんとの芝居も、いい刺激と経験になっているんじゃないかな。夏はたくさんしゃべる人間ではないのでセリフは多くはないのですが、相手の芝居を受けて出る表情や目線、行間を読むことで伝えるものがたくさんある役柄です。その表現が圧倒的に広がってきていますし、われわれが伝えたいものをちゃんと体現してくれています」 ──目黒さんの成長ぶりは、目を見張るものがあるのですね。 「具体的に言うと、1話で放送された、水季の葬式で朱音(大竹しのぶ)と対峙(たいじ)するシーンや、4話で弥生に『私、殺したことある』と言われて何も言えなくなったシーン。この時の夏は、今まで彼の芝居にはなかった表情をしていたと思います。池松(壮亮)さんも、目黒くんのことを素晴らしい役者さんだと絶賛されているのですが、池松さんとの芝居では、目黒くんは池松さんの演技力を自分に取り入れているんじゃないかなと思うんです。少年漫画風に言うと、“相手の能力を吸収して強くなる”というようなイメージ。とにかくすごく成長しています」
──そんな目黒さん演じる夏の娘・海役の泉谷星奈ちゃんの印象はいかがでしょうか? 「『いちばんすきな花』(フジテレビ系)で、夜々(今田美桜)の幼少期を演じていただきましたが、その時点で、ベタな言い方ですが芝居が上手だったんです。大人たちの間に入っても怖がったりせず堂々としていましたし、集中力が途切れがちな子役の方が多い中、星奈ちゃんはちゃんと待てる子だったので、最初からプロとしての素質を感じました。海役を決める上では、たくさんの人に集まってもらってオーディションを実施したのですが、やっぱり彼女が圧倒的に良かったです。表現力と理解力に長けていたし、泣くシーンも見事に演じてくれました。“お母さんが死んでしまった”という感情を表現できるのは、経験の有無ではなく、星奈ちゃんが豊かな想像力を持っているからだと思います。星奈ちゃんは現場のムードメーカーでもあり、共演者全員から愛されています。ちなみに、僕が髪を切った際も、誰よりも先に『村瀬さん髪切った~!』と言ってくれて。あれはモテますね(笑)」