半導体支援にNTT株など活用へ、つなぎ国債発行 複数年の財源確保
最先端半導体の量産を目指すラピダスへの支援を念頭に置いた政府の半導体支援策が1日、分かった。NTT株など政府が保有する資産を裏付けに国債を発行し、調達した資金で半導体企業に支援を行う方向だ。2030年頃までの複数年にわたる支援を想定する。 11月中にもとりまとめる経済対策で示す。来年1月に召集される通常国会で、半導体産業支援の関連法案の提出を目指す。 政府は半導体支援の原資として、償還財源をあらかじめ法律で担保する「つなぎ国債」を発行して資金を調達する。NTT株やJT株など国が保有する株式からの配当金を償還財源にあてる方向で調整している。 人工知能(AI)やスマートフォンなどに幅広く使われる半導体は、経済安全保障上の重要性が高い。政府は安定供給に向け、21~23年度の3年間で半導体の工場建設や研究開発に計4兆円規模の補助金を確保した。 ラピダスに対しては研究開発の委託・助成費として9200億円の支援を決めている。ただ、同社が27年に予定する量産開始には追加で4兆円の資金が必要で、さらなる資金調達が課題だった。 政府は必要な財源を確保した上で、数年にわたり半導体産業を資金面で支える新たな枠組みを設けることで、中長期的な支援姿勢を明確にし、民間からの投資の呼び水につなげたい考えだ。