「旅行中死亡」遺言、帰宅後10年経過でも有効か 司法判断の決め手は生前の性格と言動
トラブルを防ぐには、どのような内容が望ましいのか。遺言や相続の案件を多く取り扱う藤井薫弁護士(大阪弁護士会)は「1人で作成した遺言は、第三者が読んで真意が判然としない内容になりがちで、紛争の契機になることが多い」と警鐘を鳴らす。
弁護士などに相談し、①示したい意思を明らかにする②相続人の公平性を考える③内容を履行する遺言執行者を指定する-ことが重要という。
また無効確認訴訟の多くで、作成者にその能力があったかどうかが争点になる。脳卒中で会話が難しかったり、認知症を発症したりした状態で作成した場合、能力を欠いているとして遺言が無効となる余地が生じる。藤井弁護士は有効性をより担保するために「ある程度の年齢になったら健康に不安が少ないうちに遺言書を作成したほうがよい」としている。