熟成続く左サイド攻撃も次の段階見つめる三笘薫「まだいろんな選手で試し切れていない」
日本代表の“攻撃的3バック”に欠かせない左の槍は、W杯最終予選の独走状態にも慢心せず、冷静に現在地を見つめている。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 インドネシア戦(◯4-0)を経て中国戦(19日)に臨む日本代表MF三笘薫(ブライトン)は中国・厦門で再始動を迎えた17日、報道陣の取材に対応。前回はホームで7-0の勝利を飾った次の相手・中国にも「自分たちが圧勝したところで相手も気合が入っていると思うし、ホームでチャンスだと思ってくると思う」と警戒し、気を引き締めていた。 日本代表は15日のアウェーゲームでインドネシアを4-0で破り、W杯最終予選を4勝1分の首位で折り返した。その中で三笘は5試合連続で先発中。インドネシア戦では勝負を決定づける2ゴールを左サイドから生みだすなど、代えの利かない存在として攻撃的3バックの軸に君臨している。 そんな三笘はインドネシア戦後、現状の攻撃面について「素晴らしい形で得点できていて、再現性が上がっている」と手応えを口にしていた。実際、左サイドのユニットは練度が目覚ましく向上中。当初は三笘が封じられれば攻撃に停滞感が出ていたのに対し、最近は三笘が空けた中央寄りのスペースにDF町田浩樹が上がったり、三笘の引いた左のスペースにMF鎌田大地が流れてきたりと、臨機応変な相互関係を出せるほどになっている。 とりわけ町田が高い位置を取る狙いがインドネシア戦では効いていたが、これは今までの試合ではあまり見られなかった形。三笘も「僕が中に入ったり、高い位置でウイングバックと対峙している時は町田選手が加わってくると数的優位ができる。その点はオーストラリア戦より後ろに重いところを改善できた」と前向きに捉えているようだ。 もっとも、練度が向上していることでもって、現状のチームを手放しに楽観しているわけではない。 「同じ選手でやっているところもあるし、そこでの信頼、動きのところは分かるけど、チームとしてどれだけできるかはまだいろんな選手で試し切れていないところもある。まだまだこれから出していかないといけない」。ここまで5試合は先発をほぼ固定しての戦いとあり、三笘は次のステップに進むべく、先発だけでなく試合途中からテストしているさまざまな組み合わせも、より成熟させていかなければならないと考えているようだ。 また守備面はインドネシア戦でも課題が表出しており、三笘は「後ろで蹴られた時のリスク管理の甘さも出ていたし、何度かピンチもあった、前が攻撃している時は後ろの選手がケアをするのも大事」と強調した。 第2次森保ジャパンでは前向きな守備にチャレンジしているが、ここに来て最終ラインが数的同数での対応を強いられることで、ミスが表出しやすいという状況が続いている。だが、その点は選手間でも話し合いは進んでいる様子。「前の選手の行き方、距離感もそうだし、後ろの選手の1対1の距離感もそう。個人的なミスもあれば、配置で改善できるところもあると思うし、そこではいいミーティングができていると思う」と改善に期待をのぞかせた。 加えて三笘は自身にも矢印を向けている。局面の守備対応については「僕自身のクオリティーのところで離されているところも多い。自分自身が改善しないとあのポジションは務まらない」と厳しい言葉も口に。最終予選で好成績が続く日本代表だが、日本が誇る世界的ドリブラーに慢心はなく、高い基準でさらなるレベルアップを目指していく構えだ。