<春を駆ける>第94回選抜高校野球 高知 選手紹介/8 大坪弘征内野手/中嶋奏輔投手 /高知
◇笑顔で磨く武器の足 大坪弘征内野手(2年) 常に笑顔を絶やさず、チームを盛り上げるムードメーカー。「声だけではなく、何か一つ武器になるものを作りたい」と練習に励む。 高知市出身。父親が地元チームの監督を務めていた縁で小学生から野球を始めた。ただ、少子高齢化の影響もあり、5、6年時にはチームメートが一人もいない状態に。そんな時でもめげずに一人でできることを重ね、野球を続けた苦労人だ。 新チーム結成時にはメンバー入りできず、「チームにとって何が必要か必死に考えた」。練習後の自主トレでは最後まで居残り、「ひたすら走り、打った」結果、四国大会では見事メンバーに選ばれた。 自身の役割を「走塁」と自覚し、冬場は走り込みに力を入れる。「代走でも何でも試合に出て、チームの役に立ちたい」 ◇横手に変え投球確立 中嶋奏輔投手(1年) 成長著しいサイドスロー右腕。滋賀県出身だが、後に阪神からドラフト1位指名を受けた森木大智投手などが練習する姿を見て「ここでなら自分が成長できる」と高知高への進学を決意した。 オーバースローで投げていたときは投手としての成果がなかなか出ず、周りから野手への転向を勧められることも多々あった。けれどもそのたびに「投手として投げたい。見返してやる」と反骨心にスイッチが入った。監督からのアドバイスを受け、昨年夏ごろから横手に投げ方を変えた。慣れないフォームに苦戦することもあったが徐々に自身の投球を確立し、投手としての実力をつけていった。 甲子園は「小学生の頃からの夢」だった。センバツでは「存在を知ってもらえるよう、三振を取りながら抑えていきたい」。