ニューヨーク過去140年で最大規模の地震…災害大国・日本から見たぜい弱なインフラへの懸念
5日午前、アメリカ・ニューヨーク市に隣接するニュージャージー州を震源とするマグニチュード4.8の地震が起きた。過去140年で最大規模の地震で、地震が珍しいニューヨークの地元局では大きなニュースとなった。大きな被害は幸い出ていないが、災害大国・日本と比べてニューヨークのぜい弱な災害インフラとは。(NNNニューヨーク支局長 末岡寛雄)
■ニューヨークで「異例」の地震…慣れない地震に大騒ぎ
アメリカ・ニューヨークで5日の朝、隣のニュージャージー州を震源とするマグニチュード4.8の地震が起きた。ニューヨークで地震があるのはとても珍しい。地震が起きたのは午前10時20分頃。筆者のオフィスは震源からおよそ70キロ離れたマンハッタンのビルの3階で、少しぐらりと感じた。体感としては震度2ぐらいだろうか。ニューヨークで地震はないものだと思っていたので、大きなトラックが通ったか、ビルの工事で建物が揺れたのかなと最初は感じた。まさか地震?と思い窓から外を見たが、五番街では楽しそうに人々が歩いていて通常通り。大きな変化は見られなかった。国連ではガザ情勢をめぐって安全保障理事会の緊急会合が開かれており、生中継のカメラが揺れ、会議の進行がほんの一時中断する一幕もあった。 しばらくするとテレビ各局が地震のニュースを速報で伝え始めた。昼のニュース時間帯の午前11時を過ぎると、各局が地震のニュースで持ちきりとなった。震源となったニュージャージー州からの生中継では、珍しい地震を経験した少年たちが興奮しながら「びっくりしたよ」と笑顔でカメラのインタビューに答えていた。筆者がビルのエレベーターに乗ると、職員から「揺れたの感じた?」と興奮気味に話しかけられ、慣れない揺れで街の人々が興奮している様子が感じられた。
■地震から「40分後」にスマホに通知…本当に揺れたか確認
ニュースで被害がないかチェックしていると、携帯がけたたましく鳴り緊急の通知が飛び込んできた。「ニューヨークで地震がありました。屋内にとどまり、もしケガをしていたら救急に電話してください」とのメッセージ。なんと地震からおよそ40分経過した後のことだった。現地メディアによると、揺れが実際に起こったかどうか、アメリカ地質調査所に確認する必要があり、これだけの時間がかかったという。 ニューヨークとニュージャージーにある空港も一時離着陸を制限し、目的地を変更するフライトも出たが、幸い大きな被害や死者・けが人などは今のところ確認されてない。しかし、6日の夕方までに余震がおよそ30回観測されている。ニューヨーカーには慣れない地震のためか、現地メディアには地震酔いについての解説記事や、「地震は日食と関係あるのか?」さらには「気候変動が地震を頻発させるのか?」といった見出しの記事も見受けられた。