トレンチコート、賢く着回す セレブの「秘密技」で多彩にアレンジ
連載《ファッションハック》Vol.24
まだ冷え込む日がある春先に頼もしいのはトレンチコートです。理由は、フロントの開け閉めで微妙な温度調節に対応しやすいから。ミリタリー由来のアウターだけに、カッチリ着るイメージがありますが、実はフェミニンにもカジュアルにも着こなせる重宝なアウター。世界のおしゃれ達人たちは従来のルールにとらわれないアレンジを加えて、自在にまとっています。今回はそうしたセレブリティーの街角スナップを教科書代わりに、多彩なコーディネート技をレクチャーします。トレンチを着て行けるシーンやシチュエーションも広がるはずです。 【写真を見る】多彩な着こなしの教科書代わりになるセレブリティーの街角スナップはココからチェック!
■お仕事コーデに 新タイプでしなやかさをプラス
もともと軍装から始まったトレンチコートにはエポレット(肩飾り)やベルト、アンブレラヨーク(背中の重ね布)など、シンボリックなパーツがいろいろあります。でも、武骨さを醸し出すこうしたパーツを取り払った新タイプも増えてきました。基本的なシルエットを保ちつつ、しなやかにまといやすいニューフェースです。 配信ドラマの撮影で米ニューヨーク入りした俳優のレイチェル・ワイズさん。ドラマでの産婦人科医の役柄にふさわしく、お仕事服風の知的な雰囲気のトレンチルックを披露しました。 気張って見えないのは、トレンチにエポレットやベルトがないから。前を開けてガウンライクに着流しています。トップスはデコルテが透けるシアーシャツを選んで、重たさをそぎました。つややかなサテン生地のストレートパンツは足首のあたりでたるませて、自然な落ち感(縦に長いイメージ)を漂わせています。「トレンチ=ゴツい」という思い込みを覆すライトな着方です。
■フェミニンとタフ感、裏腹マリアージュの妙
オーソドックスなトレンチは本来のタフ感を生かして、フェミニン服と交わらせる着こなしがおすすめです。たおやかなワンピースやスカートに重ねるのは、互いを引き立て合う絶好のマリアージュ。こなれた見え具合に整う点でも使いこなしたいスタイリングです。 自在の着こなしに定評のあるおしゃれアイコンのアレクサ・チャンさんをパリの街角でキャッチしました。上下で相反するミックスコーディネートを披露。 ピンクのレース生地で仕立てたスカートに、フル装備の本格的トレンチを羽織りました。あえてボタンやベルトもきっちり留め締めしてマニッシュなたたずまいに。裾下にあふれたマキシ丈部分とのハーモニーを印象付けました。 足元は白スニーカーで、気負わない「抜け感」を寄り添わせています。カッチリしたトレンチ×ロマンチックなレーススカートの組み合わせはトレンチの硬質感を和らげたり、レースの甘さを抑えたりする相乗効果が高いので、取り入れる価値があります。