ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で話題の軍艦島をゴルフ雑誌の編集者がリポート
ドルフィン桟橋から上陸!
この日は晴天で波も穏やか、無事上陸できることになった。何度かツアーに参加しているのに一度も上陸できない人もいるらしいので、我々が運が良かった。 こちらのドルフィン桟橋は、堤防がない沖合に杭を打ち込んで作られた係留施設だ。現在の桟橋は3代目で、初代と2代目は台風で流失してしまったんだとか。 上陸後はガイドの指示に従って全員で移動し、決まった場所で説明を聞く。第1見学広場で目に付いたのは、右下に見えるドミノのように並んだ巨大な柱。これは石炭などを運搬するベルトコンベアの台座だ。正面奥には、船上からも確認できた小中学校が見える。 第2見学広場に向かう途中で見られるのが、世界遺産の登録対象になっている「天川の護岸」だ。明治期に作られた石積み工法が独特の景観を生み出している。この護岸が波にもまれながらも島を守り続けていたと思うと感慨深い。 第2見学広場では赤レンガの建造物が目に飛び込んでくる。これは採炭場へのケージを昇降させる巻揚機を設置していた捲座跡なんだそう。高台には灯台や給水タンクも見える。
急速に老朽化が進む軍艦島
上陸ツアーはいよいよクライマックスへ。見学ルートの最奥部に当たる第3見学広場に到着だ。 今にも崩れそうな右側の建物が、日本最古の鉄筋コンクリート造りの7階建てアパート「30号棟」だ。中央に吹き抜けがあってかなりモダンな造りだったらしいが、その当時の面影はすでにない。錆びた鉄筋がむき出しになった箇所も多く、いつ崩れてもおかしくない状況とのこと。 こちらは30号棟の前にあった公営プールの跡地。ビーチがなく、遊泳も禁止だった端島の島民にとって憩いの場所だったことが想像できる。上陸からここまでおよそ45分。見学が終了したら。ドルフィン桟橋へとUターンして、ジュピター号で常磐桟橋へ戻ればツアーは終了だ。 さすがの迫力と想像以上の老朽化に驚かされっぱなしだったが、そこばかりがクローズアップされるのはかつての島民たちにとって本意ではないだろう。そこには島民たちの暮らしがあった。個人的にも「海に眠るダイヤモンド」を見て、あらためて端島を訪れたい気持ちが強くなった。ゴルフ雑誌「EVEN」で長崎ゴルフプレー&軍艦島上陸ツアーを企画したら、参加したい方いますかね? 笑。 軍艦島コンシェルジュ 長崎県の絶景ゴルフリポート記事はこちら。 写真:藤井孝太郎、編集部 文:福田智生(EVEN編集部) 取材協力:軍艦島コンシェルジュ TEL。095-895-9300
EVEN編集部