【注目チーム】2024年こそ王座奪還なるか…ハミルトン&ラッセルの英国人コンビは今季まで|メルセデス|F1
2010年よりF1に参戦し、2014年から2021年までコンストラクターズタイトル8連覇を果たすも、ドライバーズタイトルは逃す結果に。2022年、2023年はトップ争いから遠ざかったが、今季こそ復権となるのだろうか。
歴史
2009年にF1新規参戦チームながらドライバーズタイトル、コンストラクターズのダブルタイトルを獲得したブラウンGPを買収して「メルセデスGP」として2010年よりF1に参戦を果たした。 当初はニコ・ロズベルグ、そして2006年限りで引退していたミハエル・シューマッハを4年ぶりに復帰させるも、コンストラクターズで4位、4位、5位と開始3シーズンは優勝争いに食い込むのも難しい状況が続いた。 2013年はルイス・ハミルトン、ロズベルグ体制となり、ここで優勝回数3度、コンストラクターズでは2位に浮上するなど、トップチームの一員に。 翌2014年からは常勝チームとして、7年連続でダブルタイトルを奪取している。とりわけ強さを見せたのはロズベルグが初の王者となった2016年で、このシーズンは21戦中19戦でメルセデスが勝利するなど、ライバルチームを圧倒。また、ハミルトンとロズベルグのマッチレースはし烈を極めたことでも知られる。 そのロズベルグは2016年の年間王者となった数日後にF1からの引退を表明。2017年からはフィンランド人ドライバーのバルテリ・ボッタスを迎え、以降はハミルトン&ボッタスのラインナップで2021年まで戦い、2022年はボッタスが去り、ジョージ・ラッセルが加わった。
F1の創成期に躍動も撤退へ
メルセデスはかつて、黎明期である1954年~1955年に、2シーズンのみワークスチームとしてF1に初参戦している。このときは当時のトップドライバーであるファン・マヌエル・ファンジオを迎え、ドライバーズタイトルを連覇した。だが1955年のル・マン24時間レースでメルセデスのマシンを駆ったピエール・ルヴェーが200名以上の死傷者を出す大事故を起こして炎上、即死したことから、この後メルセデスは30年近くモータースポーツ活動から身を引くことになってしまう。 後にメルセデスはエンジンサプライヤーとしてF1界に復帰。1990年代はザウバー・チームにパワーユニットを供給し、1995年からはマクラーレンのエンジンサプライヤーに。1998年、1999年にミカ・ハッキネンがドライバーズタイトルを連覇した時のエンジンがメルセデスだったことでも著名。マクラーレンには2014年までエンジンを供給し続け(2021年から再度マクラーレンのPUサプライヤーに)、この間にハミルトンは2008年に初の年間王者となっている。 現在のメルセデスAMGはメルセデスのワークスチームとして“第2期”となる。そのルーツを辿ると、2010年のチーム発足時、前年の王者ブラウンGPを買収して生まれたチームとしても知られる。ブラウンGPは2008年限りで撤退したホンダ・レーシング・F1チームの買収により生まれたチームであることから、ホンダが“第3期”(2000~2008年)の撤退をしていなかったら、現代最強チームのメルセデスAMGは誕生せず、全く異なるマシン、パワーユニット、ラインナップとなっていたかもしれない。