【注目チーム】2024年こそ王座奪還なるか…ハミルトン&ラッセルの英国人コンビは今季まで|メルセデス|F1
シーズンわずか1勝に終わった2022年
2022年も優勝争いを演じるものと見られたメルセデス。だが開幕前に発表したW13は、サイドポッドの形状を大きく変えた通称“ゼロポッド”を用意するも、この新機構が機能せず。また、同シーズンは序盤からマシンが高速走行時に激しく縦揺れするポーパシング現象にも悩まされ、メルセデスは思うような速さを見せることができず。 開幕時にフタを開けてみると、レッドブル、フェラーリを3番手で追う状況となった。スピードという点でも序盤は安定感を欠き、第4戦エミリア・ロマーニャGPでは前年に優勝を争ったハミルトンが、トップを快走するフェルスタッペンのラップダウンになるという衝撃的なシーンも。 それでも後半戦に入るとメルセデスは力を上げていき、終盤にはレッドブル、フェラーリとともに3強に数えられる位置で戦い続けた。そして第21戦サンパウロGPでは、ラッセルが待望のF1初勝利。2番手ハミルトンはラッセルを真後ろで追うが、ラッセルはノーミスを続けての初Vとなった。結果的に2022年のF1勝利はこの1勝のみとなってしまった。
ゼロポッドを見限る方向転換も2023年未勝利…だが総合2位の座は確保
2023年は前年よりスタートしたゼロポッドを継続。だが序盤戦はアストンマーティンがポテンシャルをアップさせたこともあり、レッドブルを追いかける第2勢力は前年よりも混戦となった。 そんな中でもメルセデスはハミルトンが第3戦オーストラリアGPで2位表彰台に上がるなど、ある程度の機能性を示していたものの、第7戦モナコGPを迎える前にゼロポッドの機構に見切りをつけ、ライバルチームと同様にサイドポッド上部が張り出した空力へと方向転換を余儀なくされた。 結果的にこの変更は明らかにメルセデスのポテンシャルアップをもたらし、ここからハミルトンは度々表彰台に上がるなど、レッドブルの対抗馬になり得る力があることを示した。 2023年シーズンはレッドブルの一強状態が明確。ハミルトンは6度、ラッセルは2度表彰台に上がったものの、メルセデスとしては2023年未勝利に終わった。 22戦中21レースをレッドブルが制するという独創的な勢力図だったが、メルセデスはコンストラクターズ2位を確保することに成功した。 そして2024年に入り、2月1日にルイス・ハミルトンが2024年限りで離脱し、2025年からフェラーリへと電撃移籍することが発表される。これで2013年よりメルセデスからエントリーしていたハミルトンは、今季限りで去ることになった。ハミルトン&ラッセルの組み合わせは今季限りで見納めとなるが、メルセデスとしては今一度タイトル争いを演じる位置に浮上することが目標であることは揺るぎない。 すでに開幕前から複数の契約延長、そしてハミルトンの移籍劇などで話題となったオフシーズンのF1。2024年、ハミルトンはしっかり存在感を示して同チームでの戦いを終えたいところとなる。