COP28 で浮き彫りになった、ファッション界の「持続可能性3.0」とエネルギーへの投資
今年の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)は、11月30日から12月12日までドバイで開催された。COPでは、たとえば12月6日に初のファッションショーが行われるなど、ファッションの存在感が高まっている。業界が規制された環境へと向かうなか、今年のCOPにおけるイベントと公約は、マーケティングやグリーンウォッシングを超えてシステムの変革と移行を目指している。 「持続可能性3.0とは、立法レベルでの変革を成文化することだ」と述べたのは、戦略コンサルタント会社エコエイジ(Eco Age)のアドボカシーディレクター、ジョージ・ハーディング=ロールス氏だ。「ブランドとして、この野望が実現可能で自社の観点からも望ましいものであることを議員に理解してもらい、法律に成文化することができれば、競争の場を平準化して業界全体で一丸となって動くことができる」。 このイベントには、LVMH、エコエイジ、グローバル・ファッション・アジェンダ(Global Fashion Agenda)が参加している。またこれまで以上に多くの石油・ガスのロビイストが参加し、多くの議論を引き起こしている。
化石燃料を使用した素材の段階的廃止の呼びかけ
「主に再生可能エネルギーや電気自動車(の台頭)によって、エネルギーや輸送などにおける化石燃料の使用量は、多かれ少なかれ必然的に減少している」とハーディング=ロールス氏は言う。「これはファッション、テキスタイル、包装(の分野)には該当せず、この点に対する意識を改善する必要がある」。 EUも米国もプラスチックに関する規制を打ち出しているが、アスレジャーや靴などのファッション製品に使用されるプラスチックベースの生地には適用されていない。全衣類の3分の2近くが、ポリエステルやナイロン、アクリル、エラスタンなどのプラスチックで作られている。これを受けてエコエイジは、COP28で化石燃料ファッションキャンペーン(Fossil Fuel Fashion campaign)を推進し、こうした化石燃料を使用する素材の段階的廃止を呼びかけている。