【直撃には笑顔で…】須藤元気氏と“密会”後の石丸伸二氏に都議選「新党構想ビジョン」を直撃!
盃を交わしながら、熱論
来夏の東京都議会議員選挙に向けた動きなのか――。 12月10日夜、東京・江東区の下町風情溢れる居酒屋「磯幸」で二人の男性が杯を重ねていた。 【写真】下町の居酒屋で激論…石丸伸二氏が密会した「意外な相手」 「魔裟斗が……」 「年金はね……」 庶民価格ながら美味い肴をあてに、コップも話題も止まらない。スーツ姿のガッチリとした男性は元格闘家で10月の衆院選に東京15区(江東区)から無所属で出馬し、次点に食い込んだ須藤元気氏(46)。もうひとりのタートルネックの細身の男性は、今夏の都知事選で小池百合子知事(72)に迫るも、次点で落選した石丸伸二・元安芸高田市長(42)だ。 須藤氏の実家である居酒屋で二人は4時間近く酒を酌み交わした。途中でYouTubeチャンネル「ReHacQ」運営者の高橋弘樹氏(43)と日本維新の会の音喜多駿元参議院議員(41)が合流。なぜか高橋氏と石丸氏が腕相撲に興じる場面もあった。 〈 『石丸さんの新党に入るの?』と問い合わせをいただきますが、その予定は一切ありませんし、そもそもお誘いもいただいていません(笑)石丸さんとは政策の違いもありますが、日本を想う同志として、そして飲み友として、これからも仲良くしていただけると嬉しいです。おす〉 須藤氏は会の翌日である11日、自身の「X」(旧Twitter)で改めて“石丸新党入り”を否定した。 ◆東京15区に足を運んだ理由 須藤氏と石丸氏は同日10日の夕刻、江東区の富岡八幡宮内で行われた政治団体「彩生(さいせい)の時」の旗揚げ式に出席した。そこでは、二人に加え先の衆院選に無所属で出馬した金沢結衣氏(34)も交えパネルディスカッションを行っている。同団体の理事は会の趣旨をこう説く。 「11月下旬に石丸さんにお声がけしたら、12月に上京する予定があるとのことで、お越しいただいた。石丸さんには交通費、ホテルから会場までのタクシー代だけしかお支払いしていません」 石丸氏が新党旗揚げ式に参加し、須藤氏と酒を酌み交わした江東区・東京15区では政治家のスキャンダルが続出している。昨年の江東区長選を巡り公選法違反事件で柿沢未途元法務副大臣(53)と木村弥生元区長(59)が辞職。柿沢氏の前任の秋元司元衆議院議員(52)もIR事業を巡る汚職事件により、収賄と組織犯罪処罰法違反で逮捕されたが、3人とも選挙地盤は江東区だった。 「国政でも区政でも『政治とカネ』の問題が相次いで起き、15区は政治とカネ問題の象徴のような場所になってしまった。“これではいけない。一からやり直そう”と地元の経営者や青年会議所のメンバーから声があがりました」(同理事) 発起人をはじめ、理事には柿沢氏の支援者が多数いる。今年3月、柿沢氏の有罪判決が確定し、公職選挙法の規定により、柿沢氏は5年間、公民権が停止され、すべての選挙に立候補できなくなっている。江東区議は匿名を条件にこう語る。 「来夏の都議会議員選挙では、柿沢家に親子で仕えた秘書の息子や、木村勉元衆議院議員(85)の孫の擁立が囁かれている。自民党では山崎一輝前都議(52)が準備を進め、三家による熾烈な選挙戦が予想される」 ◆都議選への布石なのか? 「時は来年7月、東京」 11月12日、石丸氏は自身のYouTubeでこう切り出し、以下のように語っている。 「東京都議会選挙に向けて地域政党をつくろうと思います。都議になろうという方、興味関心のある方は準備を始めておいてください。一緒に東京を動かしましょう」 先の衆院選で、須藤氏は無所属ながら当選した立憲民主党の酒井なつみ衆議院議員(38)へ1125票差まで迫った。都議選でのスタンスを明確にしていないが、関係性を築いておくことは互いにとって悪いことではない。 「都議会自民党は政治資金パーティーを巡る裏金問題が問題化しそうだ。ノルマ分50枚を超えて販売した分がキックバックされ、不記載額が100万円を超える国会議員や都議が複数名いるようで、中抜きした議員の名前もあがり始めている。国政の旧安倍派などの政治資金パーティー券裏金問題と同じ構図で、検察・警察が動いて都連サイドから逮捕者が出れば、夏の都議選は自民党にとって厳しい結果となるのは明白。当然、石丸氏には渡りに船だ。都知事選以上の『石丸旋風』を巻き起こす土壌が生まれつつある」(都政担当記者) 会合後、石丸氏を直撃した。 ――今日の会合は石丸新党への布石ですか? 「そんな会ではありません。アハハッ」 ――須藤さんも新党に何らかの形で参入される? 「そんな話はしていませんよ」 記者の質問を一笑に付した石丸氏は、関係者に囲まれてタクシーで立ち去った。石丸新党のコンセプトはベールに包まれたまま。新党構想に乗っかろうとする「周囲の思惑」だけが独り歩きしていく――。 取材・文:岩崎大輔
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