阪神秋季キャンプで〝球児流〟じわり チーム「禁煙」指令に積極的なコミュニケーションも
1日から高知県安芸市で行われている阪神の秋季キャンプで、藤川球児新監督がどんどん自己流を打ち出している。チームへの禁煙指令はその一例。昨季38年ぶりの日本一に導いた岡田彰布前監督を理想のリーダー像に掲げながら、新たなチーム作りに取り組んでいる。 【写真】ベンチで談笑する阪神・岡田彰布前監督と藤川球児新監督 藤川監督はキャンプ前、チーム活動中の禁煙指令を出した。自身はかつて愛煙家で、たばこによる体への影響を身をもって知っているだけに「やめれば、トレーニングなど他にもっと違うことができる」と説明。愛煙家の多いプロ野球界で堂々と踏み切った。 キャンプ3日目には、早くも実戦形式となる紅白戦を実施した。先発は実績のある伊藤将と本格派左腕として期待される高卒2年目の門別。岡田監督時代にはつなぎの打順だった2番には強打者の佐藤輝と前川をそれぞれ配置した。前監督時代は秋は反復練習にこだわり、実戦はなかった。秋季キャンプで5年ぶりとなる紅白戦の実施には、若手にアピールの機会を与える狙いもあり、〝球児流〟の一端が垣間見えた。 前監督は選手と一定の距離を置いていたが、宿舎で選手が助言を求めにくることも歓迎する。4日目はフリー打撃中の選手にも声を掛け、「冗談を話したぐらい。ただのおじさんとして接している」と笑顔。選手とも積極的にコミュニケーションを図っている。 3日に決着した日本シリーズを観戦する時間は「まったくなかった」という。「試合は、後から検証できる」とし、現在は選手たちがどんな形で来季開幕を迎えられるかに注力している。「(選手が)どこまで上がってこられるかをコーチたちと話したり、選手から雰囲気を感じたりすることが、今の自分にとっては精いっぱい」。新指揮官は熱いまなざしでチームを見守っている。(嶋田知加子)