発売50周年の「森永甘酒」 飲用層拡大に注力 秋冬の目玉商品「黒の甘酒」好スタート 森永製菓
今年で50周年を迎えた甘酒市場トップブランド「森永甘酒」は、周年記念商品で間口(飲用層)の拡大に取り組んでいる。 間口拡大の一環で、9月3日には「黒の甘酒」を新発売した。 9月10日、取材に応じた森永製菓のマーケティング本部食品マーケティング部の渡部耕平氏は「『黒の甘酒』は、モノクロスイーツの流行や、黒の日・ハロウィン・ブラックフライデーなど黒のイメージがあるイベントが続くことを踏まえ開発した。どのように黒くするのかが課題だったが、当社にはココアの素材の知見があるため、ブラックココアを入れることで黒い色を出した」と説明する。
「黒の甘酒」の出足は好調。今後、露出拡大を図っていく。 「甘酒が苦手な方にも飲みやすいと好評で、出荷数も良いと聞いている。お取引先には、黒をテーマにした売場での展開をご提案し、露出を増やすことで手に取っていただきやすくする」と語る。 記念商品を続々と投入する背景には、手に取りたくなる珍しい商品を入り口に、「赤缶」と呼ばれる看板商品「甘酒」(190g)の復活を目指す意図がある。 「50周年を迎え、今年は間口拡大に注力する。最需要期となる冬に向けても、よりお客様との接点を拡大できる施策を計画している」と意欲をのぞかせる。 今期(3月期)は、苦しい状況を乗り越え前年並みまでの巻き返しを狙う。 なお「森永甘酒」の第1四半期(4-6月)の販売実績は、前年同期比14%減となった。 「4月から暑くなったことに加え、紅麹に関する報道は米麹を使っている甘酒にも影響を与えた」と振り返る。