30歳代夫婦で「高所得貧乏」予備軍!? 30歳代・二人以上世帯の貯蓄額の実態とは
年収1000万円以上の貯金額から「高所得貧乏」の割合を確認
「高年収・高所得であれば貯蓄できるのでは?」と思った人も少なくないかと思います。 その実態を紐解くべく、年収1000万円以上世帯がどのくらい金融資産を保有しているのか確認していきましょう。 金融広報中央委員会が公表した「2022(令和4)年 家計の金融行動に関する世論調査」をもとに、年収1000万円以上世帯の金融資産保有額を【図表1】にまとめました。 ●「年収1000万円以上」世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯を含む) 〈二人以上世帯:年収1000万円以上世帯の金融資産保有額と割合〉 《年収1000万円~1200万円未満》 ・金融資産非保有:12.2% ・100万円未満:5.3% ・200万円未満:6.1% ・300万円未満:1.6% ・400万円未満:3.3% ・500万円未満:3.3% ・700万円未満:4.1% ・1000万円未満:9.8% ・1500万円未満:13.1% ・2000万円未満:5.7% ・3000万円未満:9.8% ・3000万円以上:23.7% ・無回答:2.0% 《年収1200万円以上》 ・金融資産非保有:13.0% ・100万円未満:2.9% ・200万円未満:1.8% ・300万円未満:2.5% ・400万円未満:2.9% ・500万円未満:2.9% ・700万円未満:4.3% ・1000万円未満:5.4% ・1500万円未満:8.3% ・2000万円未満:6.9% ・3000万円未満:13.7% ・3000万円以上:32.5% ・無回答:2.9% 全体的にバラつきがあり、少数の高額貯金保有者のデータが平均値を押し上げている可能性があります。 そこで、全体のデータを小さい順に並べた時に中央に位置する「中央値」を確認していきましょう。 ●《年収1000万円~1200万円未満》世帯の貯蓄中央値 ・2人以上世帯の中央値:1000万円 ・単身世帯の中央値:2154万円 ●《年収1200万円以上》世帯の貯蓄中央値 ・2人以上世帯の中央値:1800万円 ・単身世帯の中央値:3300万円 年収が高いだけに、中央値も高額になっていますが、年収1000万円~1200万円の単身世帯16.7%・二人以上世帯12.2%、年収1200万円以上の単身世帯33.3%・二人以上世帯13%もの割合が金融資産非保有です。 高所得者であっても、単身世帯であれば約10世帯中2~3世帯、二人以上世帯であれば約10世帯中1世帯が貯金額ゼロの「高所得貧乏」だとわかります。 頑張って稼いだお金を上手に増やしていけるよう、意識を変えることが大切だといえそうです。