春初出場の光 狙うは悲願の甲子園初勝利 センバツ出場校紹介
光(山口)は1993年、94年に夏の甲子園に出場しているが、春は初となる。山口3位校として臨んだ昨秋の中国大会は1回戦で浜田(島根)に零封勝ちし、準々決勝では創志学園(岡山)に逆転勝ちした。昨夏の甲子園出場校を連破して勢いに乗り、準優勝を果たして初のセンバツ切符を手にした。
切れ目ない打線に加え、5人が3割打者
最速141キロの直球を誇るエース・升田早人(2年)を中心に、堅い守りを持ち味とするチーム。升田投手は手元で伸びる直球の他にスライダー、チェンジアップ、カーブといった変化球をコントロールよく投げて勝負する。 中国地区大会では各県1位の2校に勝つなど、完封一つを含めて全4試合(計493球)を投げきった。浜田(島根)との1回戦は、内野安打2本に抑えて完封。初回に4失点した準々決勝も二回以降は13連続アウトを奪うなど修正した。フォームをセットポジションからノーワインドアップに変えることで、ストレートの球質にも手応えを感じている。シュート系の球にも挑戦中だ。 守りは練習時からピンチの場面を想定して守備練習を重ね、エラーが減った。同地区大会では2試合で無失策を記録している。
打線を引っ張るのは4番・藤井啓輔(2年)。中国地区大会、県予選でのチーム打率は2割9分1厘でレギュラーの5人が3割を超える。1番・丸次亮弥(2年)、2番・谷川忠幸(1年)が俊足を生かして勢いをつけ、下位打線も切れ目がない。バントや走塁など「当たり前のことを当たり前にやる」をモットーに、得点を重ねる。狙い球を絞って攻撃するしたたかさもある。10年以上チームで実施する、腕に専用ベルトで加圧をかけての打撃練習などで、短時間での筋力アップを図る。 県立高で部員全員が自宅から通い、地域とのつながりが深い。宮秋孝史監督が「地産地翔」と表現するチームは中国大会躍進の再現を狙い、春夏通じて初の甲子園勝利を目指す。昨夏の甲子園で下関国際(山口)が準優勝し、高校野球で盛り上がった山口県内を再び熱くする。
OBにアテネ五輪の国近友昭さん
1936年創立の県立校。校訓は「質実剛健」「自主創造」。知・徳・体・情の調和のとれた発育と自己の伸長を図る教育を目指す。 「文武両道」をモットーに部活動も盛んで、野球部の他にも弓道部、ヨット部などが県大会優勝や国体出場を果たすなど、全国レベルで活躍。演劇部は県大会で最優秀賞に選ばれ中国大会に出場、放送部も全国大会に出場するなど幅広い分野で力を見せている。 卒業生には、マラソン選手として2004年アテネ五輪に出場した国近友昭さん、「3年B組金八先生」などに出演した俳優・作家の室積光さん、衆院議員などを歴任した松岡満寿男さんなどがいる。