全ての人が安心して過ごせる未来を―山田悠史先生が高齢者診療の道に進んだ原体験
◇どこにいても安心して生活できる社会をつくりたい
私が理想とする世界は、どこに住んでいても人が安心して生活できる世界です。 日本においては老年医学に携わる医師の数に地域差があります。この課題を解決するには、単に老年科専門医の数を増やすだけでは難しいでしょう。若手医師はもちろん、内科や外科などほかの診療科に従事する医師にも老年医学に興味を持ってもらえるよう、楽しく診療している姿を見せていきたいと思っています。 さらに、世界的には高齢者診療を専門とする医師がいない国もあり、国によって医療の質に格差が生じています。このような格差も是正していきたいと考え、近年はカンボジアやベトナムなど東南アジアにも足を運び、老年医学の教育に力を入れています。
◇活躍できる場が多く、やりがいもある老年科医
私はこれまで、進む道に迷ったときはワクワクするほうを選択すると決めてキャリアを重ねてきました。どの道を選んでもよい面と悪い面があると思いますが、ワクワクする方向に進むと後悔の感情が生まれにくいということが経験的に分かってきたためです。 お伝えしたように老年医学の知識を持つ医師はまだまだ少なく、一緒に高齢者診療を発展させてくれる仲間が必要です。需要と供給が合致していない領域ですから、老年医学の道に進めば引く手あまたの存在として求められることが多いでしょう。活躍する場が多く、やりがいも感じていける分野として、少しでもワクワクすると感じたら老年医学の道に飛び込んでいただきたいと思っています。
メディカルノート