なぜ日本で有名人が政治を語ることはタブーなのか?真剣な人を「あざ笑う」世の中を変えるには、ビスケットの値上げと戦闘機を一緒に考えればいい
安田:そう。ビスケットの値上げと戦闘機を一緒に考えたっていい。そこが政治への第一歩だと思うし、その蓄積が、社会を変える大きな力になりうると思う。この本全編を通して、生活の視点から、当事者として政治を考える大切さが描かれてるな、と感じました。 和田:ありがとうございます。それこそが、私が一番訴えたいことだったので、うれしいです。 安田:和田さんの「50歳代で非正規雇用の女性」っていう属性に限った話じゃない。これは日本に住む全員にかかわる話。若い人から年配の人まで、僕みたいなオッサンまで含めてね。一緒に揺らいだり考えたりしながら、ぜひ読んでほしいと思いますね。 (構成:黒川エダ) 和田靜香(わだ・しずか) 1965年生まれ。静岡県沼津市出身。ライター。20歳で音楽評論家・作詞家の湯川れい子さんのアシスタントに。その後フリーのライターとして音楽や相撲などエンタメを中心に執筆を続けるが仕事が徐々に減りアルバイト生活を送り始める。コロナ禍に生活がさらに苦しくなり、一念発起して小川淳也議員事務所に面談取材を申し入れる。その問答が2021年、単行本で刊行(本書同タイトル、左右社)。以降、政治を語るライターとしても活動中。 安田浩一(やすだ・こういち) 1964年生まれ。「週刊宝石」「サンデー毎日」記者を経て2001年からフリーに。事件、労働問題などを中心に取材・執筆活動を続ける。12年『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』で第34回講談社ノンフィクション賞受賞。15年「ルポ 外国人 『隷属』労働者」(「G2」vol.17掲載)で第46回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞。著書に『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』『ヘイトスピーチ「愛国者」たちの憎悪と暴力』『「右翼」の戦後史』『団地と移民 課題最先端「空間」の闘い』『地震と虐殺 1923-2024 』などがある。
和田靜香