COP29が閉幕、「気候資金」目標額を2035年までに3倍で合意…民間投資の算入可能に
【バクー=田中洋一郎、天沢正裕】アゼルバイジャンで開かれた国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は24日、途上国の温暖化対策に先進国が拠出する「気候資金」の目標額を2035年までに現在の3倍超の「年間3000億ドル(約46兆円)以上」に引き上げることで合意し、閉幕した。
成果文書では、資金拠出は日本を含む先進国が主導する一方、途上国の自主的な拠出を促すとした。現在は各国の公的資金による支援が主流だが、民間投資を拠出額に算入することを認めた。また、世界全体で途上国への官民合わせた拠出額が35年までに年間1兆3000億ドル(約201兆円)に達するよう呼びかけた。
気候資金を巡っては、支出増を求める途上国と負担増を避けたい先進国の対立が激化。22日までの会期を2日延長し、交渉を重ねて成果文書を採択したが、その後もインドなど複数の代表団が「納得できない」と抗議するなど亀裂が残った。
一方、昨年のCOP28で合意した「化石燃料からの脱却」について、議論の進展はなかった。COP30は来年11月、ブラジルのアマゾン地域にあるベレンで開催される。