ロッテの京大君が生き残った!
ロッテのドラフト2位、田中英祐(22)が22日、沖縄・沖縄市で行われた広島との練習試合でプロ初の対外試合登板を果たし、2イニングを投げて3安打されたものの、3三振、無失点の「80点」と自己採点する内容で切り抜けた。結果次第で2軍行きを検討される崖っぷちのテスト登板だったが、田中は、京大出身らしい冷静さで、首脳陣の評価を得て、第二段階へと進んだ。「まだ1軍では力不足」という関係者の声も強いが、このまま結果を残し続ければ、開幕1軍の京大ドリームが起きるかもしれない。
圧巻は2イニング目となる6回だった。先頭の白濱裕太(30)、下水流昴(27)を連続三振。同じルーキーの野間峻祥(22)にスライダーを右中間へ弾かれて二塁を許したが、続くカープで売り出し中の阪神・上本の弟に対してストレートでカウントを整えておいてスライダーでバットに空を切らせた。 この日の最速は147キロ。大学時代のMAXは149キロで、オープン戦の序盤に、その段階に近いコンディションに仕上げているのは、ポテンシャルの大きさと開幕1軍へのアピールに他ならない。卒論を抱え、自主トレもままならぬはずだったが時間を合理的に使って遅れを感じさせなかった。広島の野間は、変化球を捉えて二塁打としたが、「さすが上位でドラフトされた選手ですね。ボールに力がありました」と絶賛した。 立ち上がりの5回には、いきなりJ・グスマン(31)に「本来はファウルになるはず」(田中)というボールをヒットゾーンに落とされ、梵英心(35)にも連打を浴び、無死一、二塁のピンチを迎えた。だが、一死後、二塁の代走・田中広輔(26)の三盗を確認すると、冷静にプレートを外して殺した。クイック投法は課題だが、状況判断と観察力はさすが京大だ。 実は、今回の1軍での対外試合登板は、結果と内容次第では2軍調整を検討するという崖っぷちのテスト登板だった。関係者の間では「力感が足りない」「体は意外としっかりしているが、まだ1シーズンを戦うプロのレベルにはどうか」という声も強かった。