臨床検査技師ってどんな職業?薬剤師より収入がよいと聞きましたが、平均年収はどのくらいなの?
大学の薬学部で厚生労働大臣の指定する科目を修めると、臨床検査技師国家試験の受験資格を得られます。卒業後の進路に薬剤師を選ぶか、臨床検査技師を選ぶかで悩んでいる方もいるでしょう。どちらを選ぶにしても、国家試験に合格する必要があるため、できる限り早く決断したいところです。 そこで今回は、臨床検査技師の業務内容や、薬剤師との年収差などについて解説します。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
臨床検査技師とは
臨床検査技師は、医師または歯科医師の指示のもと、医療機関などで臨床検査を行う職業です。災害が発生した際は、医療支援や生活環境改善のサポートを被災地で行うこともあります。 臨床検査技師の主業務である「臨床検査」とは、病気の診断や治療などで実施される検査の総称です。体の状態を数値で可視化できるため、正しい診断や効果的な治療方法を決定するための重要な判断材料になります。 なお、臨床検査には「検体検査」と「生体検査」の2種類があります。検体検査と生体検査では、検査方法や検査対象などが異なります。 ■検体検査 検体検査は、血液や尿、便などの検体を採取して行う検査です。病原となる微生物がないかを調べたり、血液中の酵素や脂質などを分析したりして、健康状態を確かめます。近年では、遺伝子検査や不妊治療なども対象になるなど、業務範囲は拡大しています。 ■生体検査 生体検査は、人体に測定器を取り付けて行う検査です。具体的には、超音波検査、心電図検査、サーモグラフィーなどがあります。検体検査は患者の検体を分析するのに対し、生体検査では患者の体から情報を直接記録します。
臨床検査技師の働き方
臨床検査技師の勤務場所は、おもに臨床検査センター、病院、診療所などです。ただし、臨床検査センターに勤めるか、病院・診療所に勤めるかで、任される業務の範囲が異なります。 臨床検査センターに勤める場合、業務の大半は検査と分析です。一方、病院・診療所に勤める場合は、医師や看護師への検査結果の報告や、検査スケジュールの打ち合わせ、臨床検査センターへの注文なども担当業務となります。 検査や分析に集中したい方は臨床検査センターを、より多くの業務にも携わりたい方は病院・診療所を中心に検討するとよいでしょう。