F1第18戦、ノリスが今季3勝目、フェルスタッペンは2位、6月以来勝利なし【シンガポールGP 決勝】
ランド・ノリスがあっさりとポール・トゥ・ウイン
2024年9月25日(現地時間)、F1世界選手権権第18戦シンガポールGP決勝がマリーナベイ市街地サーキットで開催され、マクラーレンのランド・ノリスが優勝。2位にはレッドブルのマックス・フェルスタッペン、3位にはマクラーレンのオスカー・ピアストリが入った。8番グリッドからスタートしたRBの角田裕毅はスタートでの出遅れもあり12位に終わった。 【写真はこちら】素晴らしいクルマで、飛ぶように走れた ──ランド・ノリス選手(全6枚) 終わってみればその差は約21秒の大差。ポールポジションからスタートしたノリスが、この春まで絶対的な強さを誇ってきたレッドブルとフェルスタッペンを文字どおり赤子の手をひねるかの如くねじ伏せた。 市街地コースであるマリーナ・ベイサーキットはタイヤへの攻撃性が高い上に、狭くて抜きにくい性格のためピットインでの順位降格からの挽回が難しい。そのため、これまでのレースはタイヤを労って1ストップを狙うために上位陣であってもあえてペースを落とし、数珠繋ぎの展開となることが多かった。 しかし、今やどのコースでも最速となった今年のマクラレーンに限っては、ライバルより早くタイヤを壊す心配は杞憂。ノリスはスタート直後の数周こそフェルスタッペンに貼りつかれていたものの、「10周目までにマックスを5秒以上離したい」とのピットからの無線指示を受けると、いとも簡単にこれを実行。そればかりか、31周目のタイヤ交換のタイミングまでにフェルスタッペンより1周につき1秒速いペースでさらにリードを広げ、ここで早くも勝負あり。ハードタイヤでの第2スティントは余力を残して走り切り、シーズン3勝目を挙げた。 ポールポジションから1度も首位を譲らない完勝となったノリスは、「途中、軽くウォールにヒットする場面もあったけど問題はなかった。素晴らしいクルマで、飛ぶように走れた」と大満足の笑み。
王者フェルスタッペンは2位確保も勝機なし
全く太刀打ちできずに2位に甘んじることになったフェルスタッペンは、「ベストは尽くしたけど、これが精一杯。とくに最初のスティントがタイヤのタレが早かった。2位でハッピーってわけじゃないけど、今回の結果は仕方ない」と完敗を認めた。 これでドライバーズ選手権首位のフェルスタッペンと2番手ノリスのポイント差は52点に縮小。シーズン残り6戦、フェルスタッペン優位は変わらないが、まだどうなるかわからない。 一方コンストラクターズ選手権では、ピアストリが3位、セルジオ・ペレスが10位に沈んだことにより、マクラーレンとレッドブルの差が前戦終了時の20点から41点にさらに拡大した。コンストラクターズ選手権ではレッドブルの連覇が厳しくなってきた。 5週間で4レースを終えたF1グランプリは、3週間のインターバルの後、10月18日、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカで開幕する第19戦アメリカGPで再開。10月20日に決勝が開催される。(文:新村いつき) 2