中学生の子どもがいますが高校・大学と私立に通わせるお金はありません…。高校大学ともに公立ルートだった場合、大学卒業まで教育費用はいくらに収まりますか?
「高校や大学は学費が安い公立で十分。」そんな声を聞いて安心していませんか? 公立校の学費は確かに私立より安いですが、それだけで教育費の心配がなくなるわけではありません。実際には塾代や通学費など、見落としがちな費用がたくさんあります。 この記事では、公立ルートを選んだ場合の具体的な教育費と、負担軽減のための方法を解説します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
公立ルートを選んだ場合の学費はいくら?
日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」によると、高校入学から大学卒業までにかかる子ども1人当たりの教育費用は、平均で942.5万円とされています。この金額は、授業料や教材費、入学金などの「入学・在学費用」を含んだものです。 ただし、この調査では私立学校も含まれているため、公立ルートを選んだ場合にはさらに費用を抑えることができます。 具体的に、公立高校と国公立大学を選んだ場合、学費の総額は以下の通りです。 公立高校3年間:約137万円 国公立大学4年間:約243万円 これらを合計すると、公立ルートで高校から大学を卒業するまでにかかる学費は、子ども1人につき約380万円となります。
公立進学でも意外とかかる追加費用とは?
公立ルートは私立よりもコストを抑えられますが、それでも以下のような追加費用には注意が必要です。 ① 塾代・家庭教師代 高校受験や大学受験対策として塾や家庭教師を利用する家庭も多く、その平均額は年間30~50万円程度と言われています。特に受験直前期には集中講座などでさらに出費が増えることがあります。 ② 通学費 公立校は地域によって通学範囲が広いため、交通費がかさむことがあります。特に電車やバスを利用する場合、定期代だけで年間数万円の負担になることも。通学距離や利用する交通機関を考慮して、事前に費用を見積もると安心です。 ③ 部活動 運動部に所属すると、遠征費や合宿費、ユニフォーム代などの費用が必要になることがあります。特に競技レベルが高くなるほど、シューズやラケットといった用具の消耗が激しくなり、年間で数万円から数十万円に達する場合もあります。一方、美術部や吹奏楽部といった文化部でも、大会参加費や専用道具の購入費などが必要です。 これらを含めると、公立ルートでも追加で数十万円以上の支出が見込まれます。進学先の選択にあたっては、学費以外の費用も含めた総合的な資金計画を立てることが、家庭の経済的負担を軽減するポイントです。