ダイエット続かなくても…「運動ギライ」救う〝フェス感覚〟 フィットネスイベントに1万人が集まった理由
フィットネスに1万人集まる理由
これまで6回開催されたLUSTERの公演は、通常のレッスンと異なり、60~80分間、複数のインストラクターたちにより行われました。 全11公演で、1公演につき700~900人が参加。つまり、フィットネスのイベントが、約1万人を集客したことになります。この規模感になると、すべての人がジムで体を鍛えることに慣れているとは考えにくく、たくさんの運動初心者や、運動ギライも取り込んでいるとみられます。 その理由の一つが、音楽の魅力です。もともとジャスティン・ビーバー、ビヨンセなど海外ビックアーティストとのコラボも多く、ライブのようなイベントとの親和性は高いと言えるでしょう。その音楽に合わせて体を動かすことで、一体感を持たせ、フィットネスの要素と両立させています。 イベントやレッスンで使用されるのは、洋楽のヒット曲を中心にしたセットリストや、ヒップホップやレゲエ、ハウスミュージック中心のセットリスト、そして“DEEP系”と呼ばれる音楽に深く集中できる楽曲をセレクトしたセットリストなど。すべてのセットリストはApple Musicで公開され、レッスン外でも楽しめます。 もう一つが、FEELCYCLEに所属する約300人のインストラクターたちです。レッスンの参加者を、コリオの指示や投げかけるポジティブなメッセージ、歌、ダンスなどで励まし、盛り上げるインストラクターは、舞台に立つアーティストやモデルのような存在です。 従来のジムは幽霊会員、つまり利用頻度の低い会員が多いことが指摘されます。独立行政法人中小企業基盤整備機構の17年の調査によれば、利用頻度について「年に1回以下」が51%ともっとも多い結果でした。一方、FEELCYCLEの利用率は「8割以上の会員が月に1~2回は利用する」(広報担当者)と高くなっています。 FEELCYCLEにおいては、インストラクターを中心としたファンダム(ファンによる文化)が形成され、インストラクターを応援するために、普段のレッスンの来訪率が上がり、1公演1万円以上するLUSTERのチケット1万枚が売れ、アパレルなどの物販による買い支えでコロナ禍を乗り切ったとも言えるのです。