39歳で始めた妊活のリアル「全裸で三点倒立」「理不尽な非難」それでもいつか最愛の我が子に会うために
39歳、子供をあきらめられず結婚
ただそれでも、“もし自分に子供がいたら”の妄想は10年以上、日常的にしていた。妄想は赤子時代のみにとどまらず、推しのアイドルを見ては、この子が我が子だったら……と妄想するようにもなり、こんな素敵な子に育てるにはどうしたらいいんだろう?どんな子育てをしてきたんだろう?と、推しの親に思いを馳せるようなった。 さらには、自分の子供が結婚したら嫌な義母にならないようにできるだろうか?孫に会わせてもらえるだろうか?など、妄想歴10年ともなると、そんなに先のことまで考える必要あるか?というとこまで事細かに妄想は進んでいた。 だから私は、「子供が欲しいから結婚した」といっても、あながち間違いではない。パートナーがいない期間も、結婚はしなくてもいいから子供は欲しいなあと考えていたくらいだったのだ。 旦那が子供はいらないという考えの人間なら結婚していなかっただろう。旦那も、私が子供いらない派だったら私と結婚しなかったかもしれない。 子供欲しい派の人なのに、よく30代後半のバツイチ女を嫁にしたなぁと思うこともあるが、心はマニュアルどおりに進むわけではないので、そこらへんは愛のパワーが勝ったということにしている。
妊活の苦労
だから、今の旦那とは籍を入れる前から妊活していた。むしろ子供ができたら籍を入れればいいとも考えていた。 妊活の初歩中の初歩が基礎体温を測ること。小数点第二位まで測れる婦人体温計で寝起きなど毎日同じ時間に体温を測る。これがシンプルにめんどくさかった。しかも、脇ではなく口にくわえて舌の下に差して口を閉じる、体を動かす前に測る、などルールが多かった。体温計を枕元に置いていたが、朝起きると床に落ちているので、それを拾う時点で体を動かしてしまう。寝る時間も起きる時間もバラバラな私は2週間も続かず断念した。 そこで、体温を測るのをあきらめて、生理日をアプリで管理することにした。生理日を入力するとおおよその排卵日を計算してくれる。排卵日の前後3日が受精しやすい。つまり、当日を含めた7日間は毎日セックスをすれば妊娠する!ということだ。しかし、性生活が乏しい国ランキング上位の日本では付き合いたてラブラブ期でもない限り、このペースはかなりしんどいと思う。 私も「今日から毎日セックスするからね!」と自分から宣言したくせに、どうしても眠くてそういう気分になれず、「やめて!」「触らないで!」「寝るんだから!」と、語気強めに言ってしまい、翌朝には「あ~昨日しなきゃいけない日だったのに!」と旦那のせいにしていた。それなのに旦那は「ごめんね~」と謝ってくる。私の旦那は優しさの権化なので、理不尽に責める私にもずっと優しかった。 高齢出産にも個人差があるが、私は一般的にリミットとされる年代に該当しており、「やめて! 触らないで!」なんて言ってる場合ではなかった。今思うと、タイムマシンがあったらチャンスを逃した回数だけ自分をビンタしに行きたい。毎月が勝負で、これからの人生で今が一番若いんだから!今月こそ妊娠するぞ!と、何度も気合いを入れ直した。 しかし、7日間どころか、ほぼ毎日がんばっても、次の生理が来てしまう日々が続いた。張り切って仕込んだときに生理が来るといつもより落ち込んだ。 旦那の化身をちゃんと届けるために、セックスが終わってすぐ三点倒立をしたりもした。事後、全裸で三点倒立などしたら普通は引かれるだろう。私だって最愛の旦那にそんな姿を見られたくなかったが、これも含めて妊活なのだと割り切った。 妊活を始めてから他人の発言に嫌悪することもあった。「○○さん結婚して子供〇人いるみたいですよ」なんて話をした際、「え! 〇人? やりまくってんじゃん!」なんていう、マイナス50,000点の返事をしている人に、「はぁ? キモ……!」と思っていたが、こういった発言をする男性は多い。 やりまくって子供ができればいくらでもやりまくるわ!! 妊活しようと決意し、一歩踏み出した人にしかわからないことが山ほどあるのだ。