「ミスド」が廃れない3つの理由…日本創業から54年以上愛される“圧倒的強さ”を分析
②「同じものを2つ食べたい」と思えるサイズ感と食べ心地
二つめの理由は、ミスドの全ドーナツに共通している食べ心地にあります。それは、しっかり食べ応えがあるのに、口どけや後味が軽やかであること。 店内で頻繁に遭遇するのが、フレンチクルーラーやポン・デ・リングなどの同一ドーナツを2個食べているシーン。実は私もゴールデンチョコレートを2個注文してブラックコーヒーといただくのが至福の味わい方になっています。このように同じものを2個食べたくなる食べ物ってなかなかないですよね。 油で揚げた粉ものスイーツなのに、重くない。 1個あたりの価格もスイーツの中では重くない。この嬉しい軽やかさが、持ち帰り用として箱一杯に購入したくなる欲求にもつながるのでしょう。実際ミスドではテイクアウト比率が多く、一人で複数個味わう食体験につながっています。
③定番をリニューアルして“さらにおいしく”を実現
3つ目は、定番ドーナツに対するおいしさへの飽くなき追求心にあります。ミスドでは2024年7月3日から14種のドーナツのリニューアルされる予定です。 オールドファッションシリーズは、サクサクでくちどけが良くコク深い生地に。ポン・デ・リングシリーズは生地の風味を見直し、グレースとの相性にこだわりが。フレンチクルーラーシリーズはさらに軽く、くちどけ良く、タマゴのコクがアップするとのこと。 このように、ド定番の商品を少しでもおいしく作ろうとする姿勢が、全体としての品質向上につながっていると考えて間違いありません。 主力商品のラインナップやコスパ力、買いやすい親近感ある店づくりなど、他にもミスドの魅力をたくさん発見することができます。さあ、みなさんのお気に入りドーナツは何ですか!? <文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ> 【スギアカツキ】 食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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