「人生これで終わりね」とまで非難された18歳の決断は正しかった 西村ゆか語る「キャリアを積む覚悟」
デザイナーの仕事自体は好きでしたが、後輩の指導などをしていくうちに、自分はディレクションのほうが得意だってわかって。仕事として続けていくのだったら、ディレクターとしてやっていくほうが、効率よくお金も稼げるし、いい結果も残せると考えて、ディレクターに転身しました。 デザインの仕事は、好きだからこそすごく細かいところまで気になってしまって。何度も手直しをしてしまうから、コスパが悪い。時給換算すると、めちゃくちゃ安いんですよ(笑)。自分が疲弊するような働き方をしてしまうというか。だから、「好き」と「得意」を見定めるのも大事だと思います。
── 当時は、手術をしたその足で出社するほど(!)がむしゃらに働いていたそうですね。 ゆかさん:まさに社畜でしたね。「ワークライフバランス、なにそれ」みたいな風土だったので(笑)。終電より早い電車に乗れたら「今日は早く帰れた」と思うようなタイプでした。若かった頃の経験で得たものは大きかったと思うけれど、そういう働き方は続けたくなかったですね。 ── その後、フリーランスとして独立されています。 ゆかさん:デザイナーって、夕方頃になって「これ急ぎで今日中にお願いします」って急な仕事を頼まれることが本当に多くて。結局、夜のほうが忙しかったりするんですよ。そんな状況だったので、なんで朝から出社しなきゃいけないんだろうってモヤモヤしていました。
もともと、毎日出社したくないからインターネット業界に飛び込んだのもあります。ネット環境があれば、どこでも仕事ができるじゃないですか。Webデザイナーになろうって決めた時点から、いずれは会社に行かずに仕事ができるようになりたいと思っていたんです。
■病気を患う今のほうが「ワークライフバランスは取れている」 ── 難病である「シェーグレン症候群」(注)を患っていることを公表されています。診断されたときは、どのようなお気持ちでしたか。