「人生これで終わりね」とまで非難された18歳の決断は正しかった 西村ゆか語る「キャリアを積む覚悟」
ちょうど20歳の頃に『Microsoft Windows 98』がリリースされて、自宅でネットに繋ぐことが一般化してきました。最初は広告のグラフィックデザインをやりたいと思っていたのですが、インターネットが身近になってきて、Webデザイナーという職業をあることを知ったんです。Webデザイナーだったら、新しい職業だから学校に行かなくてもできそうだし、学歴なんか関係ないだろうと(笑)。 ── 当時はかなりの覚悟が必要だったと思いますが、高校の進路相談ではどのように言われましたか?
ゆかさん:私が通っていた高校は、ほとんどの生徒が難関大学を目指して受験するような環境でした。だから美大に行きたいという時点で、レールから外れていて(笑)。先生には「美大に進学する学力はあると思うけれど、実技のことはわからないな…」と言われましたし。 伯母にはものすごくガッカリされて、「大学に行かないなら、あなたの人生はこれで終わりね」とまで言われました。でも、祖母や伯父(伯母の夫)などは私の選択を理解して受け入れてくれましたし、それほどつらかった感覚はないんです。
高校卒業後すぐにデザインのアシスタントのアルバイトを始めたこともあって、周囲の人たちは夢に向かって頑張っていると理解してくれていたのかなと思います。 ── そんなふうに、10代のうちに将来を見据えて自分の道を突き進むのは勇気がいることだと思います。 ゆかさん:むしろ、何がやりたいのかわからない状態で大学受験を頑張れる人のほうがすごいけどな(笑)。 私は「なんで試験なんか受けなきゃいけないんだ」って考えて、勉強に身が入らず落ちちゃうタイプだから。とりあえず進学しようって努力できる人って立派だと思います。
■「好きな仕事」から「得意な仕事」にシフト ── ゆかさんのように、自分に合った仕事を見つけたいけれど、一歩が踏み出せない人も多そうです。そういった人にはどんなアドバイスをしますか? ゆかさん:私は決して賢く立ち回れるタイプじゃないので、参考になるかわからないけれど(笑)、まずは、やりたいことやこれだけは譲れないという部分を明確にしておくことって大事だと思います。 私の場合は、デザイナーになりたいというよりは、ものづくりが楽しいと感じていたんです。まずそれがあって、現実的に自分にできそうな職業を考えたときに、頭に浮かんだのがWebデザイナーでした。