全国行革甲子園で福知山市が最優秀賞に 廃校再活用が評価され
全国の市区町村が、創意工夫あふれる取り組みを発表し合う「全国行革甲子園2024」(愛媛県主催)で、京都府福知山市が最優秀賞のグランプリに輝いた。市資産活用課(芦田秀樹課長、11人)で取り組む「廃校Re活用プロジェクト」が、審査を受けた91事例の頂点に選ばれた。 市内では少子化の影響で市立小学校の統廃合が進み、12年度には27校あったが、今年度までに14校になった。市は19年度、民間事業者と連携した跡地活用を進めようと、同課内に公民連携係を新設。同プロジェクトを立ち上げて取り組みに力を入れた。 8日に愛媛県松山市で開かれた行革甲子園には、芦田課長と課長補佐兼係長の土田信広さんが参加。最終審査に残った余市町(北海道)などほかの6自治体の代表たちとともに、12分程度のプレゼンをした。 プレゼンでは、すでに民間活用8校、行政利用2校の計10校が、観光型イチゴ農園、和洋菓子店兼工場、スポーツ施設、文化財保存庫となっていると伝え、「地域の母校への思いに配慮しつつ、活用意欲のある事業者へスピード感を持って対応をしてきた」と紹介した。
地元金融機関と協定 バスツアーなど評価
地元金融機関との連携協定の締結、事業者が廃校を巡って活用の可能性を探るバスツアーといった具体的な取り組みも説明し、愛媛県の中村時広知事や県内自治体の首長ら複数の審査員から「各自治体で採り入れたい取り組み」として多くの評価を集め、グランプリに輝いた。 芦田課長は「最優秀賞が発表されたときにはまさかと思い、足が震えました。失敗を重ねつつも、現場を駆け回ってきた取り組みが評価され、職員の士気も高まると思います」と喜ぶ。 報告会が19日に福知山市役所で開かれ、芦田課長と土田さんが愛媛県の伝統工芸・砥部焼の表彰盾、表彰旗、表彰状を披露。大橋一夫市長は「行政の単独ではなく、地域の多大な協力を得て進めてきたプロジェクトで、大変うれしく、誇らしく思っています。今後も創意工夫しながら、市民のみなさんが喜ぶ施設の利活用をしていきたい」と気を引き締めた。 行革甲子園は、同県内の自治体向けに2012年度から隔年で開催され、16年度から全国に対象を広げている。自治体間の先進事例やノウハウを共有し、行政改革を進めることを目的にしている。