ナ・リーグ新人王は23年ドラフト全体1位のスキーンズ 11勝&防御率1・96 今永昇太が「4位」
米大リーグ機構(MLB)は18日(日本時間19日)、全米野球記者協会(BBWAA)会員の投票による今季の両リーグ新人王を発表し、ナ・リーグは23年ドラフト全体1位のP・スキーンズ投手(22、パイレーツ)が選ばれた。1位票は30票のうち23票を集める圧勝だった。 スキーンズは1年目の今季、23試合で11勝3敗、防御率1・96をマーク。オールスターでは1995年の野茂英雄(ドジャース)以来29年ぶりの先発登板も果たした。初対戦で三振を奪い、本塁打も浴びた6月のドジャース・大谷翔平投手(30)との“怪物対決”なども大きな話題に。100マイル(約161キロ)超の直球などで球界を席巻した。 「とてもクールだ。今シーズンに(ご褒美の)リボンをつけることができたこと。来年も楽しみだ。先発投手として好きなところは(相手打線の)ラインアップと複数回対戦する中で、作戦を立てていくところ。2年前は大学生だったことを思えば、急激に成長できたと思う。最も大事なことは試合に出て勝つこと。地元のファンは素晴らしいし、この街(ピッツバーグ)でスポーツの影響力を感じている。夏場にはチームに希望を感じられた。願わくば来年につながればと思う」と喜んだ。 今季のナ・リーグ新人王争いは歴史的なハイレベルとなった。1位票を7票(2位票が23票)集めて2位となった21歳のJ・メリル外野手(パドレス)はルーキーながら後半戦に快進撃を見せたパドレス打線をけん引し、156試合で打率2割9分2厘、24本塁打、90打点。3位だった20歳のJ・チョウリオ外野手(ブルワーズ)は148試合で打率2割7分5厘、21本塁打、79打点。22盗塁と史上最年少の「20―20」を達成し、メジャーデビュー前に結んだ10年最大1億3000万ドル(約191億円=当時のレート)という大型契約の価値を証明した。3人ともに受賞してもおかしくない成績を収めていた。なお、メジャー1年目から日本人左腕最多の15勝を挙げたカブス・今永昇太投手(31)は最終候補から漏れていたが、3位票を4票獲得し、4位となった。 20日(同21日)に発表されるサイ・ヤング賞争いでも、スキーンズはナ・リーグの最終候補3人に残っている。35歳にして復活を遂げ、18勝、防御率2・38、225奪三振で投手3冠に輝いたC・セール投手(ブレーブス)、全てリーグ2位の16勝、防御率2・57、224奪三振をマークしたZ・ウィーラー(フィリーズ)との厳しい戦いではあるが、MLB公式サイトのS・ラングス記者によると、新人で同賞の最終候補3人に残った時点で5人目の快挙。今年10月に63歳で亡くなったドジャースの通算173勝左腕、F・バレンズエラ氏が1981年に13勝、11完投8完封で史上初めて新人王とサイ・ヤング賞を同時受賞した例はあるが、現代に現れた“最強新人”は果たして―。
報知新聞社