ソフトバンク戦力外→きくらげ農家に“ビックリ転身”「福岡の給食に採用」…千賀滉大・柳田悠岐ら“同期会ウラ話”「ギータさんが名前入りTシャツを」
嫌いになった野球…なぜ再開?
地に足をつけて新たな道を歩むことができるようになると、心の奥底にしまい込んでいた思いが顔を覗かせるようになった。 「僕は本当に野球が嫌いなのだろうか」 最初に気づかせてくれたのは長女だった。学校の同級生や近所の男の子が家に遊びに来ると「野球を教えて」とせがまれた。そんなことを繰り返すうちに子供たちに教える楽しさが胸に沸いてきた。 2年前の2022年から個人で野球塾を開講した。さらに、次女が野球を始めたことで全く予期していなかったオファーを受けることになった。次女のチームが所属する連盟のアドバイザーが、社会人野球・KMGホールディングスの監督を務める加藤伸一だった。加藤はプロ野球で通算92勝を挙げた名投手で、じつは中原が現役当時にソフトバンクで二軍投手コーチを務めており同時期に同じユニフォームに袖を通していたのだ。その加藤から誘われる形で、今年からKMGホールディングスの野手コーチを務めている。すると就任1年目でチームは都市対抗に出場。チーム7年ぶりの快挙の一員となり、東京ドームのベンチに入った。また、同チームからはこの秋のドラフトで木下里都投手が阪神にドラフト3位で指名されてプロ入りを果たしている。
「何しとん?」柳田悠岐の素顔
自身はプロ野球選手を引退してちょうど10年が過ぎた。 人生は年を重ねて歩みを進めるほど、日々の生活に追われ、夢など小さくなっていくものかもしれない。だが中原は「今の方が夢は多いですね」とはっきり口にする。きくらげ栽培の事業拡大、野球塾の子供たちの成長、そして社会人野球チームへの貢献や強化への思いを次々語る。それでもやはり次女の野球が見られる週末が、現在の一番の楽しみだという。 2011年ソフトバンク入団組、いわゆる育成黄金世代。一軍でも二軍でもなく、三軍でもがき続けた中原は、かつて千賀滉大(メッツ)や甲斐拓也(巨人)の飛躍に引け目を感じていた。嫉妬心もあった。 「SNSではみんなと繋がっていますけど、会う機会はほとんどないです。あ、でもホークスをクビになった数日後に嫁と天神に出かけたらギータ(柳田)さんと偶然会って。そしたら『大樹、何しとん? 今から飲みに行こうや』って誘ってくれたんですけど、まだ真っ昼間だし、嫁さんも一緒にいたんですよ(笑)。プロ1年目で最初に会った時からそんなノリで、すごくテキトーなんですけどめちゃくちゃいい先輩で大好きでした」 その数日後には3学年先輩の中村晃がお疲れ様会を開いてくれた。途中から柳田も合流した。
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