戦争の姿を変える?「中国製犬型ロボット」が意味するもの
中国、カンボジアから兵士2000人以上が参加しているこの演習。2か国による合同演習の形式だが、両国の関係からわかるように、「中国の軍隊が、カンボジアの軍隊を指導する」という主・従の関係と言ってよいだろう。カンボジア南部にあるシアヌークビルという港には、合同演習開始を前に、中国の艦船が運んできた中国の装甲車や武器が陸揚げされた。 ■中国が先頭を走って開発した“秘密兵器” この合同演習「ゴールデン・ドラゴン」は毎年、実施されている。ただし、ここからが注目点。この演習で、初めて中国の、いわば秘密兵器が登場した。犬型ロボットだ。 見た目はまさにロボットの犬。4本の脚で自由に走り回り、前に進む、寝そべる、跳躍する、後ずさる…という動作は犬と同じだ。人間に対して「お手」までする。AIの機能が備わっているのだろう。前方に障害物を見つけたら、それらを避けて、進める方法を自分で考え出す、と紹介している。 この犬型ロボットは2種類ある。一つは体重15キロ。連続して4時間まで動き回れる。もう一つは体重50キロを超える。そして80キロ以上のものを背負える。つまりこの大型の犬型ロボットの背中に、銃など様々な攻撃用武器を装着することが可能で、銃弾を発射することもできる、というわけだ。 これも、中国メディアによるものだが、実際の戦場や、テロが起きている現場において、偵察要員の代わりに、この犬型ロボットが危険な場所を偵察できるという。とりわけ、銃器を装着できる大型の犬型ロボットは敵に向かって銃弾を発射し、攻撃ができる。つまり、兵士の人命を損なうことなく、敵にダメージを与えることが可能、ということだろう。 空を飛ぶドローン(無人機)の中にも偵察だけではなく、攻撃が可能なものがある。ウクライナでの戦争においても、ロシア、ウクライナ双方が使っている。犬型ロボットは、地上での無人攻撃で活用できる。中国の軍部に近いメディアには、このような分析がある。