建設業から農業参入…10年でメガファームに成長 躍進の秘訣と新たな挑戦
大分県内トップクラスのメガファームに躍進を遂げた農業法人「らいむ工房」。代表の男性は当初、60アールのコメ作りからスタート。その後、規模を拡大し、年間売上も約3億円にまで達しました。耕作放棄地を積極的に活用する独自の経営と新たな挑戦に迫ります。 【写真を見る】建設業から農業参入…10年でメガファームに成長 躍進の秘訣と新たな挑戦 ■「脱サラ」してUターン、農業参入 (らいむ工房・佐藤司会長)「農業が好きですね。1日農業する時間があると非常に幸せになる」 大分県国東市の農業法人「らいむ工房」で代表を務める佐藤司さん(50)。本業の建設業を営むかたわら、コメやムギ、小ネギなどを栽培しています。 もともと県外でサラリーマンをしていた佐藤さんは家業の建設会社を継ぐため、2009年にUターン。会社では当時60アールほどの農地でコメを作っていましたが、最初の試練が訪れます。 (佐藤司会長)「田んぼも何となく兼業でやっていたんですが、トラクターと農機具が一気に壊れて、見積もりを取ったところ、びっくりするような値段がきた」 一時は農業をやめることも考えたという佐藤さん。そのとき、ふるさとに広がっていたある光景に目を付けました。 (佐藤司会長)「実はこの辺り全部耕作放棄地。地元の人から元に戻せるんだったら使っていいよというお話をいただき、元に戻したところ」 ■規模拡大に成功…地域活性化、雇用創出へ 建設業で培った造成の技術を活かして耕作放棄地の活用に乗り出します。はじめは地権者から「信頼できない」といった理由で確保に苦戦。しかし、約10年で100ヘクタールの面積まで拡大。今では500人以上の地主から計190ヘクタール、東京ドーム40個分もの広さの農地を借りて、県内最大級のメガファームへと躍進しました。 (佐藤司会長)「これがアグリノートというシステムで、うちの社員がいつ何時に何をしたという記録が全部残っています」 大規模経営を支えているのがITの技術。このシステムでは各地に点在する1500枚もの圃場の進捗や従業員全40人の動きが一目でわかり、効率化につながっています。