【独自】“2ナノAI半導体”開発 政府が約280億円支援へ
政府は、AI向けの次世代半導体の設計技術を確立するために、東京大学や東北大学、理化学研究所など国内の研究機関や企業が参加する「LSTC」=技術研究組合最先端半導体技術センターに対して、約280億円を支援する方針を固めたことがテレビ東京の取材で分かった。 LSTCは、次世代半導体の量産に取り組む国内メーカー、ラピダスの研究開発を支える技術研究組合で、2022年12月に設立された。 LSTCが新たに開発を進めるのは、最先端の「エッジAI」向け半導体の設計技術だ。「エッジAI」とは、スマホや電子機器などの端末に直接搭載されるAIのことで、クラウド上でAIを動かすやり方と違って、端末のAIがリアルタイムでデータを処理できるため、通信量や消費電力を大幅に抑えることができる。LSTCは、「エッジAI」が今後スマホや自動運転車両などに実装されていくことを見据え、高性能な「エッジAI」向け半導体の設計技術などの確立を急ぐ。 また、LSTCは、設計する「エッジAI」向け半導体を、ラピダスに製造委託することを想定している。ラピダスは現在、回路の線幅が2ナノ(ナノ=10億分の1)メートル相当の次世代半導体の開発をアメリカのIBMと共同で進めているが、データの処理能力が高い2ナノの技術を活用した、“2ナノ専用AI向け半導体”の量産に結び付けつけたい考えだ。 また、去年11月にラピダスとAI向け半導体の開発で提携したカナダのテンストレントも、LSTCの開発に参加する見込みで、国際連携の枠組みでも次世代半導体の開発を進めていく。