開園以来変わらぬ日本最大級のサル山 昭和感満載・大阪で創業60年の遊園地
4月で開園60周年の「みさき公園」敷地は甲子園球場7個半
<街ぶら>開園以来変わらないサル山 昭和感満載60周年のみさき公園 企画・編集:柳曽文隆 岡本ゆか THEPAGE大阪 協力:みさき公園
開園当初からずっと変わっていません──。大阪府岬町にある「みさき公園」は4月で開園60周年を迎えた。これだけの歴史を積み重ね、現在では親子3代で利用している人も多いことだろう。遊園地のほか、動物園、水族館、そして夏場はプールも開かれるなど、現在も休日などを中心に、多くの人でにぎわいをみせている大阪の老舗遊園地はどういうものかを前編・後編に分けて伝える。今回は、ぶらり動物園を回ってみた。
日本最大級レベルのサル山
南海・みさき公園駅を降り、少し歩いてゲートをくぐると、キリンなどの動物や遊具が視界の両側に映る。ちょうど春のため、広場にござを敷いてゆったりお弁当を食べている人の姿もあり、全体的に広々とした印象を受ける。 「ここの広さは甲子園球場7個半くらいあります」と語るのは、同園園長の真貝征志郎さん。「この季節になると桜が咲いたりして、花見に来られる方も多いですね」と笑顔で続ける。ぽかぽか陽気のもと、休日ともなると、駐車場もいっぱいになるほどの人気だ。ナンバーを見たら、場所柄、和歌山方面からの利用客も多いようだ。 そんな光景を見渡せば、まず目に入るのが「キリン」2頭だった。以前、THEPAGE大阪でも報じたが、現在はオスの「センイチ」、メスの「音羽(オトワ)」がおり、音羽は体に「ハートマーク」があるということで人気があり、常に「ハート探し」でにぎわいをみせている。同園は開園当初から、キリンの繁殖で実績を残しており、真貝さんは「『キリンのみさき公園』とも呼ばれているんですよ」と教えてくれた。 そして、さらに奥へ進んでみると、灰色の大きな山が視界に入り、周囲では大勢の人がなにかを投げている。よ~く見たら、いわゆる「サル山」で、来園者はその前で売られているエサを投げて楽しんでいる。真貝さんによると、ここにいるサルは、だいたいではあるが80頭ほどいるという。 しかし、このサル山、ずいぶんと年季が入っているようだが、聞けば開園当初から変わっていないという。「このサル山がコンクリートを固めて作ったものですが、おそらく国内でも大きなものと思います」と真貝さん。そう、これは「日本最大級レベル」の大きさだという。 何年か前に一部が崩落したこともあったが、それも即座にしっかりと修繕・補強。頭数が多いため、飼育員も朝から晩まで交代で作業しているが、そうしたことから頭数はここ数年で増えている。 5年ほど前から「ヒデヨシ」というサルがこの山のボスに就任し、安定しているという。取材日も小さい赤ちゃんが元気に駆け回る姿もみられる。真貝さんは「夕方のエサの時間になると、ヒデヨシが両足でジャンプする姿がすごい迫力なんですよ」と笑顔で語る。まさに、ボスの貫禄十分の様子だ。