あなたはいくつ知っている?紙幣や硬貨に施された偽札・偽貨幣対策を解説!
日本の紙幣や硬貨には、さまざまな偽造防止技術が用いられているという話を聞いたことがある人は多いでしょう。2024年7月発行開始の新紙幣に関しても、やはり、偽造防止の技術や加工が話題になることが多々あります。とはいえ、実際にどのような技術が用いられているのかを知っている人は多くはありません。 今回は、日本の紙幣や硬貨に施された、偽造防止のための代表的な技術や加工について紹介します。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
偽造された紙幣や硬貨の発見枚数
そもそも、現在でも紙幣や硬貨の偽造をする人などいるのかが気になる人もいるでしょう。警察庁の発表によると、令和4年には偽造紙幣は全部で948枚発見されています。そのうち、906枚が1万円紙幣です。また、同年に発見された偽造500円硬貨は825枚となっています。いわゆる偽札の発見枚数は年々減ってきてはいますが、いまだゼロにはなっていないのです。
1万円紙幣の偽造防止技術を紹介
では、日本の紙幣にはどのような偽造防止技術が用いられているのか、もっとも偽造されることの多い1万円紙幣の場合でみていきましょう。 ・すき入れ 1万円紙幣には肖像画が描かれていますが、中央あたりにある丸で囲われた部分には、光に当てるなどすると、その肖像が浮かび上がる加工がされています。いわゆる「すき入れ」です。新1万円紙幣では、さらに高精細なすき入れが採用されたといわれています。 ・すき入れバーパターン 肖像とは別に、光に当てると3本の縦棒が透けて見えます。これが「すき入れバーパターン」です。カラーコピー機などでの再現が難しいため、重要な偽造対策の一つとなっています。 ・パールインキ 紙幣を傾けると、左右の両端にピンク色に光る部分があります。光沢のあるこの部分は「パールインキ」で印刷されており、これも通常のコピー機などでは再現できないでしょう。 ・潜像模様 紙幣を傾けると「10000」や「NIPPON」の文字が見える「潜像模様」が施されています。 ・マイクロ文字 1万円紙幣には、ところどころに小さく「NIPPON GINKO」と、マイクロ文字で記されています。これも通常のコピー機などでは文字がつぶれてしまうため再現が困難です。 ・深凹版印刷 紙幣の印刷方式には、凹版印刷が用いられています。触れると他の箇所よりもわずかに盛り上がっており、ざらざらとした質感を得られるでしょう。見るだけではなく触れても本物か偽物かが判別できるような工夫です。 ・ホログラム 角度によって色や見え方が変わる「ホログラム」も施されています。とりわけ新紙幣には3Dホログラムが施される点が大きな特徴です。見る角度により肖像画が回転する3Dホログラムは、銀行券としては世界で初めて採用されました。世界最高峰の偽札防止技術といってもよいでしょう。 ・特殊発光インキ 紫外線を当てると「特殊発光インキ」により、柄が光る技術が用いられ印刷されています。