数学教師「お前らに好かれる気なんてない」、「ハズレ」だと思った先生が恩師に変わったワケ…教育系YouTuber・葉一
雑談も楽しかった。奥さんやお子さんの話をしてくれる時もあって。自分をよく見せようとするのではなく、素(す)で接してくれているのがわかりました。
私は松崎先生と出会うまで、先生という存在を信頼していませんでした。中学時代に太っていた私を笑いものにする先生がいて、信じられなくなっていたんです。そんな私に松崎先生は、『この先生みたいになりたい』と思わせてくれた。尊敬し、信頼を深めていきました」
「当初は『嫌がらせを受けないこと』が目標でしたが、そんなことは全然なく、めちゃくちゃ楽しかったです。特に思い出深いのは、体育祭。男子校なので、綱引きは手の皮がむけるくらい、みんな全力で取り組むんです。私も突き指しているのを忘れて没頭し、全治2週間が3か月に延びました(笑)」
そして迎えた高2の冬。進路について、ある思いが芽生えた。
「当初は大学進学は考えておらず、専門学校志望でした。音楽に興味があったので、音響や照明について学ぼうと思っていたんです。でも、松崎先生と過ごすうちに、『自分の価値観をここまで変えた、教師ってすごい』と思うようになりました。
『自分もこうなりたい』っていうモデルがいるのは、大きいですよね。教師になることを考え始め、高校2年の冬に、松崎先生に気持ちを打ち明けました。『いいんじゃないか』と言って、勧めてくれたのが、なんと、国立大の東京学芸大学でした。専門学校志望だった当時の私の偏差値からすると、約20も足りない!! 猛勉強の日々が始まりました」
プロフィル
はいち 1985年生まれ。2012年からYouTubeで授業動画の配信をスタート。YouTubeチャンネル(「とある男が授業をしてみた」)の登録者数は200万人超。