”球界大御所”が政府の新型コロナ「対応遅れ」に怒り、そして「もう今季のプロ野球は中止にすべき」と緊急提言
また広岡氏は、もし新型コロナに終息の兆しが見え、観客や選手、関係者の安全を確保できる状況になった場合、その新しい日程について「クライマックスシリーズ(CS)を止めるべきだ」との持論を展開した。 「私は、そもそもCSには反対だった。143試合もの長い戦いを制したチームが日本選手権(日本シリーズ)に出場できない可能性のあるシステムはナンセンスだ。日本選手権は、セとパのペナントレースを勝ったチーム同士が戦うもの。CSは、単なる儲け主義のイベントで、今回は中止にするいい機会だろう。143試合は無理にしても、CSを止めれば、その期間にレギュラーシーズンの試合をずらすことができる」 12球団は、交流戦、CS、日本シリーズは行う予定で検討している。ただでさえ、レギュラーシーズンの試合数が減ることは避けられず、専門家チームからは、開催する場合、観客の感染リスクを少しでも減らすために、観客をフルに入れず、5割程度に抑えてチケットを売り出すことを提言されており、収入が減少することは目に見えている。その状況の中で、“ドル箱“のCS開催は外せないという苦しい懐事情もあるのだ。 現在、選手の年俸をどうするかについて、まだNPB内でも選手会との間でも討議されていないが、当然、今後は、年俸削減も課題に上がってくるだろう。メジャーリーグでも試合数に応じて年俸をカットする案が浮上している。 広岡氏も、「年俸カットは当然、考えねばならないだろう。その代わり、来年、頑張れば、その分を出来高で補填するというような形にしてあげればいい。これは全球団と選手会で交渉すべき問題だろう」という意見だ。 5月6日まで続けられる「緊急事態宣言」の効果がどう出るのか。そしてNPBはどんな決断を下すのか。“見えない敵“との戦いの先行きは見えてこない。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)