”球界大御所”が政府の新型コロナ「対応遅れ」に怒り、そして「もう今季のプロ野球は中止にすべき」と緊急提言
また当初は「緊急事態宣言」の7都府県の対象地域から本拠地が外れた球団などもあり、各球団の対応の足並みも揃っていなかった。藤浪晋太郎、伊藤隼太、長坂拳弥の3人の感染者を出した阪神は15日、万全の予防態勢を取った上で時間差での自主練習をスタートさせたが、一方、ロッテは同日から施設の利用を禁止し、これまで行っていた自主練習を全面中止している。 これらの状況を踏まえて、広岡氏は、「明らかに新型コロナが終息しない限り、もう今シーズンのプロ野球は中止にすべき」と提言した。 「命を落としている人、闘病している人がいる中、こういう意見を口にすると怒られるのかもしれないが、今、人類が、もう一度、すべてをよく考えなさいと、問われていると受け取ることも必要なのかもしれない。プロ野球もそうだ。もう一度、原点に立ち返る機会だ。ピンチはチャンスとも言うじゃないか。経済的に大きな打撃を受けている人々がたくさんいる中、プロ野球選手は、まだ恵まれている。全体練習ができない、試合ができない、という状況は苦しいのかもしれないが、明日、食えなくなるわけではない。今の世界の現状は、いつ野球を開幕するかを考える状況ではないだろう。東京五輪は1年延期されたが、プロ野球も中止にすべきだ」 セ・リーグは、横浜DeNAとヤクルトの主催試合、それぞれ11試合を本拠地の横浜スタジアム、神宮球場で開催とする変更を15日に発表している。横浜スタジアムは、東京五輪の野球競技の会場で、神宮球場も五輪期間中に資材置き場として利用されるため、当初は使用できなかったが、1年延期の決定で使用可能となったため再調整されたもの。「開催決定ではない」と注釈付きだが、まだ開幕スケジュールも決まっていないタイミングでの”先行発表”は、NPBサイドの開幕にかける強い意志を表しているかのようだった。 広岡氏の「中止にすべき」との主張は、開幕に向けてあらゆる策を検討している機構と12球団関係者、開幕を楽しみにしている野球ファンの間では賛否が分かれるかもしれないが、今後の新型コロナの感染推移次第では、あながち暴論ではないのかもしれない。